長いスロープと『ルピナスさん』 | 絵本島 

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大人も絵本を楽しもう!絵本の紹介と感想を発信します。
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絵本と島生活の楽しさを合わせたブログです。

 朝のランニングで駆け登るスロープです。


 長いですね。

 港の展望施設なのです。


 ここを少し頑張って駆け登ります。

 登るとこんな風。


 彼方に礼文島が見えます。


 今日の絵本は



 『ルピナスさん』

 バーバラ・クーニー 作

かけがわ やすこ 訳

 ほるぷ出版


 副題が、ー小さなおばあさんのお話ー となっています。

 ルピナスさんも、昔はアリスという小さな女の子でした。

 アリスはおじいさんと約束をします。

「大きくなったら遠い国に行く。そして年を取ったら海のそばの町に住む」と。

 おじいさんは言います。

「それは結構だがね、もうひとつ、しなくてはな らないことがあるぞ。

 世の中を、もっと美しくするために何かしても らいたいのだよ」と。


 これは、アリスことルピナスさんがおじいさんとの3つ目の約束を果たすまでの物語です。

 

 世の中を美しくすること


 この願いそのものがとても美しいものに感じられます。

 アリスことルピナスさんは、どうやって世の中を美しくしたのでしょう?

 その答えは「ルピナスさん」という名前の中に隠れています。


 年月が経ち、ルピナスさんを大おばさんと呼ぶ「わたし」も、ルピナスさんの話を聞きながら、

「大きくなったら、遠い国に行って、帰ってきたら海のそばに住むわ」

と言います。すると、ルピナスさんは言うのです。

「もう一つしなくてはならないことがあるよ。

 世の中を、もっと美しくするために何かしなく ては」


 物語の結びはこのようになっています。



 私たち一人一人ができることで、

 世の中を美しくすること。


 そんなことを作者が投げかけているように思えます。それは美しい祈りのようですね。


 『ルピナスさん』は静かで美しい物語です。


 絵は、板に水彩で描かれ、色鉛筆でアクセントをつけているのだそうです。これも美しく、あちこちに猫とルピナスがさりげなく描かれているのが好きです。