セピアのマテリア・メディカ①からお読みください。

 

 

頭痛は神経性、胆汁性、周期性、激痛で、頭全体に及ぶ。
鬱血性。
横になって完全に静かにしていると、一般的に症状は改善する。
通常の動きで悪化するが、
Sepia の一般的な症状のほとんどと同様に、
普通の動きで悪化し、
激しい動きで症状が緩和する。
散歩すると症状が和らぐ。

 

脳の停滞、思考の鈍化、頭が働かなくなり、頭を使うと頭痛が悪化する。
十分な睡眠をとると頭痛は和らぐが、
短い睡眠の後に目が覚めると、頭痛が悪化する。

運きに関しても同様である。
目や頭、体を動かしたり、暖かい部屋で動き回ったりすると痛みが悪化するが、
屋外で体が温まるまで長い散歩をすると、痛みが和らぐ。
体が鈍い状態なので運動が必要で、
快適な状態を保つには、激しい運動が必要である。

Sepiaの症状は、継続的な運動と組み合わせない限り、屋外で悪化する。
屋外での運動では改善するが、家の中では悪化する。

 

頭痛は、身をかがめたり、動いたり、咳をしたり、
階段を上ったり、揺れたり、軽く振ったり、頭を回したり、
仰向けに寝たり、考え事をしたりすると悪化するが、
継続的な激しい運動をすると改善し、
きつく包帯を巻いたり、温熱療法を行ったりすると、痛みは和らぐ。
ただし、暖かい部屋では痛みが悪化する。

Sepiaの頭痛は、特に後頭部に影響を与え、朝悪化する。
目とこめかみに激しい痛みが起きる。
汗をかくと痛みが和らぐが、動き始めると悪化する。
かがむとズキズキとした痛みを感じ、階段を上ると悪化する。

Phos.の頭痛は睡眠で楽になるが、急激な動きを続けると悪化し、
それに我慢できない。

 

Sepiaは昔ながらの胆汁性頭痛に適している。
吐くと改善する。
痛みは徐々に増し、食べたがらず、吐き気、嘔吐が起こり、
患者は眠りにつき、
起きた時には頭痛がなくなっている。
Sang.はこれに似ているが、
嘔吐すると改善し、暗い部屋にいるとよくなる。
ただし、方向が異なる。

 

頭部の神経痛。
痛風患者に周期的に起こる頭痛。
音に敏感な若い女性や、
極端に繊細で、特に目が黒く、肌があさ黒い女性、
病気で顔色が悪くなっている人に起きる
激しい鬱血性の頭痛。

頭痛とともに黄疸が出ることが多い。
頭痛が終わると嘔吐し、数日後に黄疸が現れて消えるが、
次の頭痛とともに再び現れる。
毎朝頭痛と吐き気があり、食べ物の匂いが不快。

Sepiaは、上記のように愚かな精神状態になる。

 

働かない。
質問に答えない。
まるで酔ったように麻痺し、目と顔が腫れ、
眼球が黄色くなり、黄疸が出る。
これは、激しい嘔吐発作で終わることもある。

頭痛持ちの老齢の酒飲みが、
辛い物や刺激の強い物、ビールのような苦い物を欲しがり、
脳卒中の恐れがある。

「飲酒や性行為に過剰に溺れ、痛風や痔などになりやすい

 男性の脳卒中」

「関節炎と痔を患う、放蕩生活にふける中年男性に、
 危険な脳卒中が襲いかかる。
 普通は、軽い脳卒中発作を数回経験しており、

 兆候が頻繁に現れている」

 

頭部の外部下方に発疹があり、髪の毛の抜け落ちる。
黄色いかさぶたができる。
膿やその他の体液が滲出する。
乳児の水疱性発疹が見られる。

目は、水疱や膿疱を伴うカタル症状、まぶたの顆粒、
潰瘍、乾癬の症状がある。

目や目の周りに、さまざまな浸潤性疾患がある。
まぶたの縁の膿疱、眼球の膿疱、
まるでガーゼを通して見ているかのような感じがする。

 瞼板腫瘍、まぶたの癒着、ものもらいなど。

 

耳の分泌物はベトつき、黄色い膿が出て、不快臭がある。

 

鼻は好まれる部位である。
嗅覚を失う。
黄色や緑色の厚い痂皮が鼻に詰まって、吹き出せない。
ベトついた黄色の膿が絶えず出る。

「鼻から悪臭を放つ大きな鼻の詰まりが出てくる。
 大きすぎるため、口の中に引き戻して、

 吐き出さなければならず、嘔吐を引き起こす。
 特に左の鼻孔に乾燥した鼻風邪が起こり、
 その後、黄色または緑色の粘液の大きな塊か、
 または、鼻血を伴う黄緑色のかさぶたが発生する」

 

これはカタルの最悪の形態の描写である。
ここまで放置する人はほとんどおらず、

局部治療を施して鼻を治すが、
その過程がすぐに胸部にまで及び、膿疱性結核が起きる。

歯茎が歯から離れる。
風邪をひくと歯痛や神経痛が起こる。

喉に塊の感覚が(Lachのように) あるが、
後者は呑み込む事で改善する。
( 寄生虫の問題は同様にCinaを示す) 。

 

Lachのように襟とコルセットが気持ちが悪い。
Lachのように眠り始めに悪化する。

 

Sepiaは食欲や喉の渇き、飲食、飲酒、胃などに関連する
多くのものを作り出す。

 

Sepiaの患者は、一般的に胃の調子が悪く、
食べ物や粘液や胆汁の酸っぱくて苦いげっぷ、
食べ物や粘液の酸っぱくて苦い嘔吐を自覚している。
胃が空っぽで、空腹感があり、食べても解消されないことがある。

時々、侵食するような痛みや、沈むような感覚が起き、
食べても必ずしも和らぐとは限らないガツガツした空腹感がある。
ほぼ絶え間ない吐き気、特に朝の吐き気、げっぷ、乳白色の液体の嘔吐がある。
胃が空の時、嘔吐や、吐出、乳状の液体のげっぷが出る。

 ColchやArs.のように、食べ物を嫌がり、料理の臭いを嫌う。

 

患者は朝起きると、胃がだるく、苦しく、膨満感があり、
その後げっぷと粘液の噴出、乳状の液体が出る。
朝に乳白色の水を吐く。
これはSepiaの特徴だ。

刺激のある焼けるようなおくびが出る。
胸焼け。
喉を表皮を剥ぐような悪臭のするおくびが出る。
おくびの別の形である胸焼け。
表皮を剥ぐ酸性の液体が、上まで燃え上がり、
収縮を引き起こし、ヒリヒリする焼けるような痛みがある。
激しい吐き気。
胃の中に、ひどい不安感を伴う死ぬほどの沈み込みがある。

 

Phos.はどちらかというと、

食べることで解消される典型的な空腹感を感じる。

Ignatiaの患者は

常にため息をついており、「その感覚」から逃れることができない。

Oleandeは

まるで死んでしまうかのような空虚感に襲われ、
食べ物を食べてもよくならず、消化されず、翌日も未消化のままである。

Lyc.は、

食べても良くならない事があり、食前も食後と同様に顕著に感じられ、
食後にズキズキする感じが起こる。

Kali carbも同様に、

食べ物をとっても改善せず、
食べるとさらに悪化し、満腹感と脈打つような感覚が続く。

重度の肝臓と心臓の病気では、胃が消化吸収を維持できず、
動悸、極度の衰弱、肝臓のうっ血、白い便が起こる。

ここに、Digitalisが来て、

致命的に沈む感じを引き起こし、嘔吐しても改善しない。

 

Sepiaにおけるこの症状は、愛情の喪失、直腸の塊、便秘などを伴う。

「簡単な食事をした後でも、胃が痛くなる。
 胃の中に、縫われるような痛みや、燃えるような痛みがある。
 胃痛は嘔吐で悪化する」。

これは奇妙なことだ。
なぜなら、嘔吐すると通常は苦痛が和らぐからである。

Sepiaの胃は革袋のようになり、いっぱいに詰めると、
食べたものがそのまま出てくるか、
時には、酸か、または胆汁が混じって出てくる事もある。

肝臓の炎症、黄疸を伴う肥大、肝臓周辺の痛み、
膨満感、膨張、苦痛。

 

下腹部がガスで膨張し、ゴロゴロと鳴り、膨らむ。
この障害は、太鼓腹のお母さんのように、慢性化することが多く、
その腹部は、茶色い斑点だらけだ。

Sepiaはサナダムシを除去する。

 

慢性の下痢で、便はゼリーのような塊がある。
下痢と便秘が交互に来る。
便秘でも下痢でも、便と共に多量の粘液が出る。
固い便は、非常に多量のゼリー状の粘液で覆われている。

何日も排便せず、汗びっしょりになっていきむが、 まだ便が出ず、
指で支え長くいきむと、小さな便が出て、
その後カップ一杯ほどのゼリー状の粘液が続き、
黄色かうすい黄色で非常に臭い。

急性の下痢やゼリーのような便を伴う赤痢は、

Kali bi.とColch.の方が一致する。

 

慢性の下痢か便秘で、便がゼリー状の粘液で覆われているか、
或いは、その粘液が後続するのはSepiaである。

 

Graph.と混同してはいけない。
それはもっといきんで汗を出して、大量の便を出し、
卵白で覆われたような、加熱した卵の白味のような物で
覆われたり、混じったりしており、
まるでアルブミンで覆われているかのようである。

 

Sepiaはかなり不快臭がある。
便の臭さは異常で、柔らかい便は恐ろしく臭く、悪臭を放つ。
汗は臭く、尿も悪臭がある。
「便は腐敗した、酸っぱい悪臭があり、突然一度に全部排出する」。
この2〜3の症状があれば、 便秘にお決まりの
Sepiaが与えられる。

 

排便後、直腸が一杯の感覚が常にある。
患者は衰弱し、疲れているため、力んで努力しても無駄で、汗が出る。

Sepiaは Nux.のように便が出ない。
何日も便意がなく、
それから、まるで出産しているかのような努力をする。
脱腸。
便を出しても軽くならず、肛門にボールがあるような重さがある。
肛門の痛み。
回虫の駆逐。
直腸からジクジクした湿りがあり、臀部の間が痛い。
直腸に便が詰まるとすぐに痔になり、
そのため、もっと大変になる。

尿の問題がたくさんある。
子供が夜眠るとすぐにおもらしする。
Sepiaが膀胱の頚部に意識を集中させなければ、
尿を漏らしてしまうだろう。
咳やくしゃみをしたり、笑ったり、
ドアをバタンと閉まる音や衝撃を受けた時、
あるいは気が散っている時に尿が漏れる。

 

頻繁にずっと尿意があり、火のように燃えるような乳白色の尿が出て、
しばらくそのままにしていると、
尿管から放出しにくい、乳白色の灰色の沈着物が形成される。
血尿は少量で抑制されており、
強い圧力をかけると腎臓と膀胱に激しい痛みが起きる。
まるで子宮が飛び出しそうなほどのしぶり腹で、突然の放尿したくなる。
ナイフで切られるような痛みと共に、突然尿意に襲われ、
排尿できないと、人混みの中の女性のように全身寒気で震える。

ある気の毒な症例を覚えている。

 

ある女性の店員は、数分毎にクローゼットに行かなければならなかった。
ナイフで切られるような激しい痛みと尿意が襲ってきて、
尿を出さないと、この痛みはずっと続くことになるだろう。
彼女は尿のことばかり考えていた。
そうしないと漏らしてしまうからだ。
彼女は背が高く、痩せていて、顔は青白く、
困ったような表情をしており、疲れ切っていた。
Sepiaは彼女を改善し、この人は二度と苦しむ事がなかった。

 

Sepiaの患者は妊娠3ヶ月で流産する。
あらゆる種類の潰瘍性疾患、転置、引きずり落ち、弛緩がある。
停留胎盤。
復古不全で、骨盤内臓器すべてが疲れて衰弱している。
更年期中の不正出血、
または妊娠中、特に妊娠5ヶ月と7ヶ月の不正出血が起きる。

 

男性も女性も、共に異性を嫌う。

 

女性の場合、実際にはそれほどでもないのに、
あたかも過剰に耽溺したかのような状態になる。
忍耐力がなく、性交後の疲れ、眠れない夜、睡眠中夢ばかり見る、
筋肉の痙攣、単攣縮、帯下、骨盤のうっ血がある。

夫との関係が正常だった女性が、
出産後、性行為のことを考えると、吐き気や苛立ちが起きる。

月経症状は多種多様だが、Sepiaを特徴づける異常はない。
かつては、月経が乏しい事が、より顕著な特徴であると考えられていたが、
実証と臨床観察から、必ずしもそうではない。
出血量が多い場合も少ない場合も、Sepiaで治癒している。

肌が黄色っぽい繊細な性質の少女の、非常に激しい月経困難症。
Sepiaは、女性が月経を迎える時期つまり断乳時に現れる。

 

または、死産で、月経が始まるはずなのに現れず、
母親は衰弱し悲しみに暮れる。
Sepiaが月経の出血を作り出すだろう。

 

Calc.は反対である。
授乳期間中に生理が来る。
ベトついた、緑っぽい、表皮を剥ぐ帯下や

ミルクのような帯下がある。
幼い少女の帯下がある。

 

男性の場合、注射を拒んできた老齢者で、淋病の分泌液が出る。

尿道から多量の黄色や乳白色の分泌物が出るか、
或いは無痛の「最後の一滴」が出る。
急性症状が治まった後に淋病が起きる。
尿は尿酸塩を多く含み、あらゆるものを赤く染め、
しばしば表皮を剥ぎ、ひどい悪臭を放ち、前立腺炎を伴う。

「後淋は、痛みがない。
 分泌液は夜だけ出て、一滴ほどがシーツを黄色く染める。
 黄色っ ぽい分泌液が出て、放尿中には燃えるような痛みはない。
 無痛。
 1年半の期間、朝、尿道の穴がひっついており、
 特に、長期に渡る疾患や、頻繁な射精により、

 生殖器が衰弱している場合」。

 

性器上にイボができる。
Sepiaはそれを過度に使用してから、
そのような外観になった場合に役立つ。

 

男性の不能や、女性の性欲喪失に役立つ。

このレメディとMurexの近い関係は、考える価値がある。
筋肉が弛み、腹部内や骨盤内が引きずり落ち、
頑張ったり、歩いたりする事から悪化し、
脚を組んで座る事で改善し、
性器を圧迫する事で改善するのは、
双方のレメディのようだ。
だが、これに月経の大量出血と激しい性欲が加わると
Murexを考えねばならず、Sepiaは除外される。

 

双方とも、胃に極度の空虚感がある。
Sepiaは性欲が減退し、嫌う事がよくある。
Murexは子宮が非常に痛くうっ血しており、常に子宮に注意が行く。
Murexは、子宮の右側から、胸の左側または左乳房まで、
体を斜め上に横切る激しい痛みを感じる。

 

激しい月経困難症が改善している。
子宮癌に役立ってきた。
水っぽく、緑色がかった、ベトついた、血の混じった帯下で、
それはかゆみを引き起こす。

 

Sepiaの最も一般的な特徴の一つは、
激しい運動で改善する事である。

 

動き始めは悪化するが、ウォームアップ後に改善する。
この状態は、背中の症状と密接に関係している。
背中にかなりの痛みがあり、背骨の痛みは下に向かう。
脊椎を圧迫すると、痛みのある所や脊椎の炎症が明らかになる。

背中の痛みは主に腰から尾骨にかけてで、
座っている時に起こることが多く、
激しい運動をすると改善する。

 

特別な特徴は、強い圧力で改善する事だ。

患者は通常、椅子の低い位置に本を置き、
それにもたれて背中に圧力をかける。
Sepiaは、Natrum mur.のように、

仰向けに寝て改善するようには見えない。
かがむと背中の痛みが悪化する。

 

「背中の痛みは、ひざまずいて悪化する」

 

下肢の症状としては、足のひどいしびれが見られる。

「足脚の冷たさがあり、
 特に夜就寝中、足が温かくなると手が冷たくなる。
 足が氷のように冷たくなる。
 足から大量の汗が出るか、或いは耐え難い悪臭を放つ汗が出る。
 足の指の間に痛みがある。
 手足のむくみは、歩行中改善する」

 

睡眠は夢と苦悩だらけである。
心臓の動悸のため左向きに寝る事ができない。
睡眠中に動悸が起き、それに全身に脈動と震えが伴い、
指先に脈動が起こる。

マラリアを抑制した老齢者の症例では、Sepiaは寒気を戻すが、、
最も有用なのは、レメディの選択を誤ったため症例が混乱した場合である。
症例のたった一部に対してレメディが選択され、
少し変化があったが、患者の症状が改善されない場合がそれだ。

 

発熱や悪寒、発汗が、極めて不規則に見える。
Natrum mur.は最もすばらしいマラリアのレメディの一つであるが、
Chinaのように秩序が多くあるのに対し、
Sepiaは全く秩序がない。

 

レメディーによって混乱を起こした症例では、
Calc.やArs.、Sulph.、Sepia、Ipecac.を考えるとよい。
不規則な症状や段階に、

決してChinaやNatrum mur.を与えてはいけない。

 

Sepiaは、Natrum mur.を補完する。

精神が愚かな状態とは別に、
Natrum mur では、例えば騒音やドアの閉まる音などで動揺するなど、
神経系全体が興奮しやすい状態にあることがよく見られる。

睡眠中に筋肉が痙攣し、空想上の物音で絶えず目が覚め、
誰かが呼んだと思う。
家の中で起こったついさっきの騒ぎで目を覚ます。

悪化は、
月経前と月経中、妊娠中、
食後や寝入りばなに、
天候の変化や雷雨の間に、襲いかかる恐怖から。