Silicea(シリカ、二酸化ケイ素) ①からお読みください。

 

 

 

喉と首では、外部と内部のすべての腺が同時に、または個別に炎症を起こし、腫れる。

扁桃腺の片方または両方に激しい痛みを伴う扁桃炎が起き、化膿の恐れがある。
耳下腺、舌下腺の炎症、そして頻度は低いが顎下腺や頸腺の炎症。
急性炎症の場合でも、腫れて硬くなり、首、肩、頭に痛みを伴う。

しかし、それから疾患の逆の状態もある。

苦しみに打ちひしがれた慢性の老齢患者の諸例では、
入浴後に症状が悪化し、温かさを求め、寒さを恐れ、常に震えている。
しかし、首に急性炎症がある場合は、全く逆のことが起こる。
この人は、ほてりが起き、不規則でほてる熱が出て、
上半身は熱いのに手足は冷たく、頭と首の周りに汗をかき、熱の感覚があり、
暖かい部屋で息苦しさを感じる。
これは、急性の場合、頸部扁桃腺の膿瘍や扁桃腺炎に現れる。

 

ここでは、SilicaはPulsとの関係を示す。
後者は、慢性的な症状では熱に悩まされ、急性の症状では寒気に悩まされる。
それらは、急性と慢性の状態に関して逆である。
Puls.は、最初に寒気と発汗がある。

 

Silicaは喉の症状が多いが、
その速度が遅すぎるため、急性の症状に滅多に適応されない。
Bell.や他の急性のレメディで何度も改善しても、扁桃腺や頸腺にまだ留まり続ける
一連の風邪をひいた後にそれは来る。

Silicaはその傾向を断ち切る。
喉にカタル状態があり、風邪をひくたびに炎症が悪化し、
声がかすれ、再び慢性状態に戻る、咽頭の慢性カタル。
根深い喉の痛みにおいて、それは、Natrum murと競い合う。

 

Silicaは胃をかき乱し、しゃっくりや吐き気、嘔吐を起こし、肝臓を乱す。
これらすべての症状は、つながっており、分けにくい。

 

温かい食べ物を嫌い、冷たいものを欲し、適度に冷たくしたお茶を欲しがり、
冷たい食べ物を欲し、温かい食べ物を嫌う。
肉を嫌うこともあるが、食べる場合は、冷たくスライスした肉を好む。
アイスクリーム、氷水が好きで、お腹に入れた時気持ちよく感じる。
温かい飲み物が飲めない事があり、
温かい飲み物を飲むと顔や頭に汗をかき、ほてりを起こす(Bar. c.)。

 

Silicaは極端な暑がり、寒がりで、

たった2、3度の変化に、すぐ影響される。
熱くなり過ぎて、調子が悪くなる。
すぐに熱くなり、ちょっとした気温の変化ですぐに汗をかき、

風邪をひく。

 

産科の症例を待っていたある治療家がいたのだが、
終わりの段階でちょっとした困難があり、加熱状態になった。
彼はオーバーを着て帽子をかぶり、涼むためにベランダに出たが、
喘息や激しい咳、大量の痰、嘔吐に襲われ、それが数ヶ月間続いた。

その人がとった急性のレメディでは、緩和しただけだったが、
Silicaの一服で、すぐに改善した。
暖かい部屋に我慢できない。
Silicaの急性病状は、暖かい部屋や熱から悪化する事が多い。

 

Silicaは、ミルクからの悪化がある。
赤ん坊がどんな種類のミルクも飲めないことが多く、
そのため医者が正しいレメディがわからず、市場で売っているあらゆる食べ物を処方するよう追い込まれる。
Natrum carb.とSilicaは、どちらも母乳が下痢や嘔吐 を引き起こす場合に役立つ。
型にはまった治療家は、Silicaを全く忘れて、Aethusaのような薬を好んで与える。
後者は Natrum carb同様、酸っぱい嘔吐と便と共に酸性の凝乳がある。
「母乳を嫌って吐く」
「ミルクから下痢を起こす」
この両者を合わせなさい。

 

患者は暖かい料理を嫌い、冷たい物を食べたがるけれども、
胸の不調では、冷たい水、アイスクリーム、一般的に冷たい物を食べると、
咳がひどくなり、吐き気がして、その後、嘔吐がひどくなる。
それは激しく、嘔吐し、むせるような咳が出る。
吐き出そうとして起きる嘔吐は通常、Carbo veg.がコントロールするが、
Silicaもそうする。

 

「胃の不調による胸焼けで、寒気や茶色い舌を伴う。
 吐き気、飲んだ物を吐く、朝悪化する。
 水がおいしくない。
 飲んだ後に吐いてしまう」

 

Silicaの胃は弱く、全く働かない状態。
老齢者は消化不良で、ずっと長い間吐いており、
特に熱い食べ物が嫌いで、牛乳が飲めず、肉が嫌いな人で、
精神面の症状と身体面の症状が一致する場合。

 

Silicaは、南北戦争中、兵士の慢性の下痢に対する
すばらしいレメディの一つであった。
それは、湿った地面に寝たり、

胃腸が弱るまであらゆる種類の食べ物を食べたり、
長い徒歩や、寒い北から南に移動した事から、

暑さで病気になったかなりの割合の人々を治癒した。
これらの症状は、Sulphurのようでもある。

 

Silicaは、胃腸に多少の痛みがあるが、

圧迫すると更に痛みを感じる。
疝痛や鼓腸や圧迫痛がある。
胃の慢性的な痛みで、長く続くと結核状態になる。
腹痛は温めると治まる。
腸内ガスとゴロゴロ鳴る音を伴う鼓腸。
子供と大人の肥大化した腹(Bar. C.)。
締め付けた感じが腹を横切る。
服の締め付けに耐えられず、食後悪化する。
決定的な特徴は、熱で緩和する事だ。

 

直腸が便を押し出す事ができないため、便秘になる。
Aluminaのように、せき立てられる事はなく、直腸に便が留まる事は稀だ。
便意は強いが、排出できない。
便は小さなボール状か、大きくて柔らかいか、或いは大きくて硬く、
頭の周りには緊張と発汗が見られ、力んでいる間はひどい苦しみがある。
直腸が詰まり、衰弱し疲労困憊するまで力み、便が後戻りする。
そして失望してあきらめる。
何らかの機械的な方法で、排泄するしかない。
排便時のひどい力みは、レメディは数多くある

排便時のひどいいきみは、多くのレメディに属するが、
特に Alumina, Alumen, China, Natr. mur., Nux vom., Nux mosch., Silicaに属する。

 

症状が合えば、Silicaはサナダムシを除去する(Calc., Sulf.)。

 

また、瘻孔の開きも改善している。
結核の傾向がある患者は、直腸部のあたりに膿瘍ができやすく、
それは、内側か外側に割れて、
完全課、或いは不完全な開口部を形成する。
これらは、本来起こるはずの症状の代わりに起こるようで、
たとえ、手術や他の外的手段で治癒したとしても、
固定したカタルや結核浸潤の形で、胸部疾患に終わる傾向がある。
Silicaは体質を整えるレメディの一つで、
1〜5年内に、開口部が不要になり、改善する。
手術で一度に治り、患者は、しばらくの間は楽になるが、
数年後に調子が 悪くなる。

 

Caust.やBerb., Calc. c., Calc. phos., Graph., Sulph.などが適合する。
このような症例では、SilicaがThujaの後にうまく続く。

 

尿路の化膿性疾患や粘膜のカタル。
尿に膿と血 が出る、老齢者の膀胱の慢性カタル。
尿の中に多量の糸状の沈殿物。
前立腺炎、化膿、尿道から出るべとついた悪臭を放つ膿。
淋病、尿道からの、膿や膿のような分泌物や、
わずかな細切れ状の分泌物、血の混じった膿性の分泌物が出る。
時には濃く、または凝乳状になる。
これは、あらゆる粘膜から出る。

 

陰茎に沿って、会陰や前立腺や睾丸に膿瘍ができる。

激しい痛みを伴う精巣の慢性炎症と硬化。
精巣が押し潰されるように感じ、過敏で、痛い。
少年や成人男性の水瘤。

 

男性の場合、性交不能、性交後の性器の弱さ、疲れやすく、力がない。
一般的な頻度で性交を行なうと、疲労困憊する。
休養には1週間から10日かかる(Agar.)。

疲労感を伴い、性器に多量の発汗、背骨が疲れ、背中が弱る。

 

夜間の失禁。
少年少女の夜尿症。

 

女性に関しては、性機能が低下した状態がある。
膣内に漿液性嚢胞、陰部瘻孔と膿瘍があり、
それは、硬い結節となって治癒するか、全く治癒しない。
小さな滲出性瘻孔、不快臭のある、チーズのような分泌物が出る。
小さな結節となって治癒し、その後、同じ病巣に再び発生する。
このような膿瘍にかかりやすい女性。

 

月経と月経の間に、出血する。
Silicaにおいては、子宮出血が非常によく起きる。
興奮からや、特に授乳中に、月経前に出血が起きる。
子供を胸に抱くと、出血が始まる。

 

Calc.とSilicaの違いに注意しなさい。
Calc.は授乳期間中に出血する傾向がある が、子供を胸に抱いた時ではない。 

 

Silicaは、子宮から出る大量の水っぽい分泌物を伴う、

卵管留水腫や卵管留膿症を改善する。

 

ある女性は、子宮の片側または反対側にしこりができ、 

それが徐々に大きくなり、
突然、水っぽく血の混じった膿のような液体が溢れ出し、
しこりは消えるが、 

すぐにまた一杯になり、同じように勢いよく流れ出る事がある。

 

これは卵管留水腫と卵管留膿症の症状である。
何ヶ月も月経が全くない(無月経)。

 

膣内に、エンドウ豆かオレンジほどの大きさの漿液性の嚢胞ができ、
膣から突き出るか、

または上に向かって突き出て、膣のレベルで平らになる。

 

ピーカンナッツのような小さな嚢胞が多数集まっている。
他の症状が少しあっても、Rhod.とSilicaはこれを改善してきている。

 

「 帯下は多量で、刺激性、腐食性、乳白色、
 ヘソの周りを切った事から起き、
 噛まれたような痛みが起きる、特に刺激のある物を食べた後。
 放尿中、噴出中に。
 子宮癌を伴う。
 乳腺に固いしこりがある」

 

乳房の膿瘍の恐れがある。
よいタイミングでレメディが投与されれば、問題をすべて未然に止めるだろう。
レメディが手遅れで、化膿が避けられない場合は、Silicaがその役割を果たす。
ズキズキした痛み、圧痛、重みがあるだろうが、
それでも、このレメディはその痛みを抑え、終わりを早め、
自然に開口部ができ、少量の分泌物が出た後、すぐに閉じる。

鎮痛剤を投与し、熱い湿布を貼ると、

あなたが選んだレメディは失敗するだろう。
患部に血液が多すぎるため、湿布すると症状が悪化する。
それはその部分へ血液を増加させる結果となり、
もし化膿が起これば、組織の破壊をさらに引き起こす。

ごく少量の膿の代わりに、
何日もコップ一杯の膿が出て、腺の半分が破壊される。

 

非常に弱っていて、流産しやすい女性、或いは受胎が起きない女性。
臓器が疲れ切っており、その機能が発揮できないように見えるだろう。

 

嬰児には、多くの問題がある。
病弱に育つ。
母乳や、どんな種類の食物も許容できず、
嘔吐と下痢を起こす。
健康な子供は、不健康なミルクさえ消化するだろう。

 

Silicaの咳は危険だ。
このレメディは、肺が広範囲に侵されていない肺結核の

初期段階に適している。
症状が合えば、カタル性の咳に合う。
肺に治癒傾向のない小さな膿瘍がある場合、これは修復を促し、

肺壁の収縮を引き起こす。
喘息によるゼーゼーというあえぎや、過度の運動に伴う

胸部カタルの根深い症例。

激しい運動や過熱した後に、風に当たったり、

入浴後風邪をひいたりして、凍える。

 

湿気た喘息で,、粗くガラガラという音がし、

胸に粘液が詰まっているようで、あたかも窒息するかのように見える。
特に老年の淋病患者の喘息、または淋病患者の親の子供の喘息。
そのようなケースはNat. sul.で完治する。
患者は青白く、蝋のようで、貧血症で、ひどい疲労と喉の渇きを伴う。

抑制された淋病による喘息発作で、ほとんどの淋病患者と同様に、

過度の努力や過熱から、症状が発達する傾向がある。

 

声枯れを伴う、乾燥した、裂けるような痛みのある咳で、

喉頭結核の恐れがあり、
喉頭粘膜の肥厚または結核の関与による独特のかすれ声を出す。
胸の痛みは粟粒結核の恐れがあり、

寒さで悪化し、温かい飲み物で改善する。

 

石切り工の肺病。
細かい埃が、慢性の刺激状態を引き起こす。
Silicaは膿を作り出し、このような石の粒子を 放出する。
痰が多く、腐ったよう、緑色で、化膿している。
日中のみ粘着性、乳状、強烈な粘液、青白いものもあ り、泡のような血液。
風邪が胸部に慢性的に留まり、喘息症状を引き起こす傾向がある。
慢性気管支炎で、化膿を伴う肺の炎症がある。
Silicaは特に、肺炎の末期や、老齢者の肺炎に後続する慢性疾患に適する。


肺炎になってから、ゆっくりと回復する(Lyc., Sulph., Phos., Sil., Calc.)。
ほてりがあり、胸にガラガラという音がする。
日中に顔がほ てり (Sulph., Sep., Lach.)、
Ant. tart.のように、ガラガラという音がし、
Sulph.や Lyc.のようにほてる。

 

肺結核は、べとつき、黄色や緑色、悪臭のある唾液、

Calcよりもっと寒さを訴え、頭に汗をかき、

肺が痛み、肺がうずき、縫われるような痛みがある。

 

四肢では骨膜の炎症が見られる。
魚の目(Ant. cr.、Graph.)。
巻き爪。
足の裏のリウマチ。
歩けない(Ant. cr.、Med.、Ruta、Sil.)。
寝るとすぐに汗をかき始める(Puls.、Con.)。
てんかんで、太陽神経叢のオーラが胸部と腹部に潜入する。
Calc., Puls., and Thujaを補完する。