ジェームズ・タイラー・ケント博士による
「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年）より和訳します。
ホメオパシーは、
宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、どのような症状を作り出すかを証明し
それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、
自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。
マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。
Thuja Occidental (スーヤ／ニオイヒバ)
Thuya（スーヤ）の主題の一般的な現れというのは、
特徴的なイメージがあるとすれば、
それは油っぽくテカテカしている顔で、油を塗りたくったかのように見え、
しばしば透明感がある事が多く、
病んだように見え、何か悪液質になっているかのように見える。
これは淋病体質と癌性悪液質の症例であることが多く、
衰弱し、悪液質で、黄色っぽいか、非常に青白い事が多い。
皮膚には多くの症状がある。
発汗は特別で、ほのかに甘い蜂蜜のような匂いがしたり、
ニンニクのような強い刺激的な匂いがすることもある。
性器から鼻につんとくる腐敗臭がする。
性器からほのかに甘い蜂蜜のような匂い、
性器からの汗に悪臭があり、自分の 性器を臭う。
臭気はまた燃えた角や、燃えた羽、または燃えたスポンジのようでもある。
この特別な強い臭気は、性器に真菌性のイボがある時、特に起き、Thujaが改善させる。
皮膚は、体中どこも不健康に見え、Arsenicのように寝がけに多量の発汗がある。
ArsenicとThujaが作り出すように、蝋のようでだけであれば、Arsenicを処方するだろう。
Arsenicは急性の事が多く、Thujaは慢性である。
Arsenicは普通 は慢性のレメディである事を覚えているだろう。
特別な喘息の状態が淋病で見つかり、Arsenicが症状に示されるが、
ただ楽にするだけで、その素因をコントロールせず、
急性疾患におけるAconiteのように作用し、しばらくの間改善するにすぎない。
喘息と多くの他の淋病の状態は Arsenicを呼ぶように見えるが、
軽減するだけで、体質的にはArsenicでは到達できず、根本的な症状は類似していない。
淋病と乾癬において、
その不調に類似していれば、Arsenicは長い間作用し、不調を全滅させるが、淋病には似ていな い。
Arsenicは問題の根底には行かないが、ThujaとNatrum sulph.は作用し改善させる。
Natrum sulph.とThujaは、何年も 抑圧されていた根源の兆候に戻す。
Thujaの患者の傾向は、イボのような突出物を出し、
それは柔かく、汁が多く、非常に敏感で、ヒリヒリし痒く、擦ったらすぐ出血する。
手にできる固い突出物や、茎の上にできる割れて開いた固い突出物、基部の周囲のひび割れ。
子宮頸や ( Nitricum acidumのように) 肛門の辺り、大陰唇の辺りや一般的に粘膜にカリフラワー状の突出物ができる。
固い突出 物が皮膚上に多くできる。
茶色いイボ、特に下腹部上に大きな茶色の班があり、肝班のようで、下腹部に形作る。
胸の周りに帯のようなヘルペス状の発疹がそこら中にでき、Sepiaのようで、陰唇や包皮のヘルペスがある。
帯はヘルペ スのからなり、「帯状疱疹」という大きな水疱の斑点が体に現れ、
ここでThuja、Rhus, Graph、Kali hydr.、Mezereumを 比べねばならない。
この状態はひどい苦しみと神経痛が伴う。
この症例は淋病的であり、 Thuyaが特に基本となるレメデイである。
イボが 塩化第一水銀によって消された症例の授業があるだろうが、
それはイボをしなびさせ落とす、旧体制医療の治療法で ある。
患者が、異常な症状でやって来て、
何時間もこの症状について研究し、ほとんど秩序が見られないで、
先導する特徴がなく、何かが欠けていると気が付く事がある。
硝酸や塩化第一水銀のような物つけて、イボを除いている。
このようなコンジロマータは、体質の基盤をもたないで現れ、こ
のようなイボには原因があり、その原因はイボが あったら患者を病気にせずにいられるようで、
イボがある時患者の気分はいい。
変な事を言うようだが、このようなイボが抑圧された場合、
Nitric acidやThuja、Mercurius、Staphysagriaなどの症状を得る。
Thujaは抑圧されたイチジクイボから起きた症状のための薬全てを導く。
蛇に噛まれた場合や、天然痘にかかった場合、予防接種を受けた場合など、
動物中毒の痕跡がある場合に、Thujaはとりわけ強い薬となる。
尿道からの排出物にはおそらくいくつかの種類があり、
そのひとつに淋病性のものがあり、 それが抑圧されると、
足の裏や膝、特に背中や腰、坐骨神経、膝や足首の関節に痛みを伴う
マヤズムが持ち上がる。
それは上半身に影響を与える事もあるが、 とりわけ下半身に起きる。
Rhusのように、じっとしていると非常に激しい悪化が起こり、
じっとしている限り痛みが増し、
床ににいざるを得ない事がよくあり、そこで常に動いたり、寝返りを打ったりする。
抗淋病が選ばねばならない。
症例が淋病的でなければ、Rhusでこのような症状群は治癒されるが、
症状が抑圧された淋病である場合は、MedorrhinumかThujaが改善させるだろう。
Thujaはこの特別な領域に入り、淋病が根底にある特別な症例をつかまえる。
分泌物が抑圧されていた場合、睾丸炎が起きる事があり、
その場合はPulsatillaがそのレメデイで、滅多にThujaは選ばれない。
Thujaは激しく圧搾された痛みを伴う左睾丸に影響を与えるが、
ほとんど一般的にはPulsatillaがそのレメデイである。
Thujaを研究し続けると、それは腺に深く作用する事がわかり、
腺の縫われるような、引き裂かれるような痛みがあり、
痛みは、腺がまるでバラバラに裂かれるかのようなものである。
腺全般について言えることかもしれないが、
一つの特別な腺である卵巣は、特に他のどこよりも、特に左側が影響を受ける。
これは本当にそうで、左卵巣の激しい痛みに出くわした場合、
それは月経時に起き、出血中続き、腿まで広がるが、あらゆる方向に広がるかもしれない。
出血に合わせて痛みは増加し、
刺されるような痛み、裂けるような痛み、燃えるような痛み、破裂するような痛みがあり、
まるでその部分は引き裂けるようなので、大声で泣き、ヒステリックな状態になる。
これはまさに強いThujaのグループである。
それは出血によって楽になるため、ZincとLachesisとは相異なる。
多くの女性は終始、卵巣のゴロゴロとした痛みに苦しんでいる。
そう感じるべきでないのに、臓器の感覚を感じる。
風邪をひ いて痛くなったり、天候の変化から痛くなったりする。
左卵巣の痛みの増加が最初の徴候である。
時には痛みが非常 に酷いため、右側も共鳴してはっきりした痛みが起きる。
卵巣がしばらくの間影響を受けた所には、精神面の症状があり、
非常に 激しく苛ついていたり、嫉妬、喧嘩早さ、醜悪などがある。
この苛つきは、家庭内の個人や、夫や母親 に向けられているのが見られる。
しかし他人の間にいる時は、自分自身をコントロールする事ができ、
医者はそれを 見出す事ができないかもしれない、
というのはというのも、彼女は騙す癖があるからだ。
一人になりたがり、固定観念にとらわれている。
自分は妊娠しているとか、お腹の中に動物がいるとか、後をつけられている とか、誰かが側を歩いているとか、
魂と体が分離しているなどと考える。
さて、これらは固定観念で、理性を外に出そうとしても役に立たない。
その人には、自分はとても繊細で、ガラスで出来てお り、割れてしまうだろうと思えるのだ。
考えているのは割れてしまうことであって、自分が透明だとは思っていない。
古い医療法は常に分泌を抑圧し、新しい医療法のほとんどは、そうしない方がいいとする。
さらされることによって頻繁に繰り返し、
感受性が満足するため、淋病自体は増加しない。
プルービングするためもっと多くの薬をとる事は、それほど害はなく、
プルービングを指導する人は、症状が始まると気 づくと投薬を止める。
さて、 症状が起きてからも投薬を繰り返し、プルービングをし続けたならば、
その人はすでに毒化しているのに、強制的に有機組織に薬を与えることになり、
そのため、症状群に混乱を起こし、生涯その人に薬害が植え付けられてしまう。
Thujaのプルービングの多くは、そのような混乱を我々に提供し、
そのため、時々起きる著しいものを切り取った症状のみが見える。
かなり多くの症状において、非常に多くの混乱が起きたため、
実はThujaのプルービングの多くは無駄に終わっている。
一方、初期のプ ルービングであるウィーン・プルービングは、
かなり拡大した多くの特徴をもたらし、Thujaのイメージを混乱させた。
そのため、医療現場の経験によってのみ、Thujaのより正しい特徴を引き出す事ができる。
学生よりも、もっとする事が 要求されている。
新しいプルービングを、別の方法で行なわなければならない。
Thujaは腹に顕著な症状がある；
噴き出す、水っぽい朝の下痢、水が樽の穴から出て来るよう.
また、全身を通じて、一般的なカタルの状態がある。
鼻や耳や胸のカタル。
胸のカタルにおいては、激しい頻発空咳を作り出し、
朝に 緑っぽい粘液を吐き、多量に痰を出す事もある。
抑圧した淋病やイチジクイボの淋病がある人の、肺炎の古い症例に合う事がよくある。
また、腎臓と尿の症状も顕著だ。
腎臓の充血と炎症、腎臓に鋭い痛み
燃えるような尿
膀胱と尿道の炎症が起きるが、淋病ではない
膀胱からの膿
膀胱の麻痺、尿が出始まるまで長く待たねばならない
尿の滞留、頻尿が続き、尿道内が裂けるように痛く、
Kali bich. やPetros.のように、まるで尿道に沿って尿が流れ続いているように感じる。
尿道内淋病的特質の疾患で は、Thujaはその他全てのレメデイを先導する。
淋病でない多様性において、Cannabis-sat.は十分であるが、
淋病に証明 された症例ではCann. sat.は改善できず、
放尿中と後の燃えるような痛みとべとついた黄緑色の分泌は改善したが、
淋病 とわかった時に他のレメデイが常に後続せねばならなかった。
Thujaは症例を終わらせる事ができるため、そうならない。
非常に激しい症例では、
血尿を伴い、過剰に好色的で、ひどく苦しみ、
昼夜休む事なく、尿道と膀胱から血の混じった、水っぽ い分泌がある。
そこにCantharisが来て、数日でこの症例を終わらせる事ができる。
このような患者は非常に健康に違いな く、一般的な症例にならない。
患者は飲酒者や喫煙者である。
タバコは最もやっかいな物の一つで、
患者が喫煙していた り、チェーンスモーカー、
大酒飲み、交際が多い、
遊び回り、贅沢な暮らしをしている、
そのような症例では回復が遅れる。
贅沢な生活から、患者のシステムが破壊し、
患者がそのライフスタイルを放棄するまでは、
あなたは、決定的な治療行為が得られないかもしれない。
患者に軽いダイエットを させ、喫煙の量を減し、禁酒し、完全に穏やかな生活を過ごさせなさい。
それがまず第一だ。
家族持ちの男性ならば、大きな精神面の苦悩を解消させねばならないし、女性でもそうだ。
普通、淋病マヤズムは始まりはやっかいなもので、若い治療家を悩ませる、と言えるかもしれない。
正しい方法を、患者を生涯不具にする間違った方法に代えてはいけない。
病気の抑圧は、通常試される物だが、
誠意のある真面目なホメオパスには、それは考えられないものだ。
患者が突然中断しようとするのであれば、他の所へ行かせなさい。
だが、何が起き、計り知れない病気や苦しみが起こるだろうという警告も与えなさい。
