美人を育てる会社、愛工房の秘密をリサーチ | えひめ「ジョカツ」(女性の活躍推進)

えひめ「ジョカツ」(女性の活躍推進)

愛媛県内の企業様における「女性活躍推進」のお手伝いをさせていただいています。
目指すところは、男女問わず能力を活かす職場づくり。
女性活躍に取り組む・取り組もうとしている企業様をご紹介していきます。

愛工房株式会社が製造する果実入りゼリー「フルーツフル」。
愛媛県宇和島発のフルーツゼリーの製造現場を見学させて頂きました。






愛媛県宇和島市吉田町にある愛工房株式会社(従業員89名、うち女性59名)は、90年余の歴史を持つ旧宇和青果農業協同組合から柑橘の加工製造・販売部門を継承。
旧農協の民営化という、日本で初めてのビジネスモデルとして出発しました。
昭和47年から始まった度重なるオレンジ・果汁の枠拡大、自由化により、輸入果汁の増大が国産果汁を圧倒していました。
当時の宇和青果においても、みかん缶詰・果汁とも昭和54年をピークに減反の一途を辿っていました。
みかん缶詰を透明なプラスチック容器に入れ、手軽に食べられる缶切り不要のシロップ漬け商品として昭和53年にスタートしたのがフルーツフルです。
当時、全国でもこのような商品はほとんど製造されておらず、脱缶詰の画期的な開発で、ゼリー商品の道を開いたということです。

2009年2月に愛工房株式会社を設立した丁井俊社長は、町おこしで地域を元気にしようと宇和島市吉田町の歴史を調べました。
2011年11月から2年間、愛媛新聞にて毎月吉田町の歴史を書いた広告を掲載しました。
「地域の特産品を生かし、吉田町のみかんのブランドをさらに高め、農家も搾汁業者も成り立つように知恵を絞る必要がある」と丁井社長は言います。

地域への思いは従業員に対しても同様で、いかに働きやすい環境を整備するかに尽力されています。
「更衣室や食堂は、従業員の働く意欲を高める場所。
更衣室で勝負服(制服)に着替え、戦闘態勢に入るのです」と丁井社長は言います。



裸足で歩ける更衣室には湿度コントロールが付いていて、7台の鏡を付けました。
「女性にはきれいになってもらい、持っている力を最大限に発揮して欲しい。
お世辞でなく、持久力があるのは女性であり、働く環境を整えることで女性は生きてくる」と丁井社長は想いを語ります。
最近では女性ドライバーを登用し、女性専用のトラックも用意しました。





窓はUVカットガラス、楽に作業ができるようステップを付け、暗い場所でも安心して積荷ができるよう電飾を取り付けています。
「女性が効率的に作業を行えるようになるには、このちょっとしたことが肝心なのです」。と155センチメートルの小柄な女性ドライバーは言います。

営業はしない、流通ルートには乗らない。丁井社長の思いは「いいものを安く売りたい」。「従業員にもどんどん昇給してもらいたいし、この会社から年俸1,000万円の人を5人出すことが私の夢です」と語ります。


(丁井社長と私)

株式会社 愛工房
愛媛県宇和島市吉田町立間2-146
TEL:0895-52-1121
http://www.ikb.co.jp/

(記事:西山)