
4月21日の検査で、抗癌剤のある程度の効き目が確認されて喜んだのもつかの間、
ルナはゴールデンウィークに入り突然体調を崩してしまった。
連休入りまで、ルナの発病以来初めて長男がルナの様子を見に来ていたが、29日、彼が帰京する日からルナは変調をきたした。
朝食をとらなかった、というよりも、一切とろうとしなかったのである。
そんなことは初めてだった。
ただ夕食は、いつものように食べてくれた。
翌30日、天候が一変し一日中雪が吹き荒れた。
家の中でおとなしく過ごし、とりたてて異常なく経過した。
月がかわり5月1日、再び朝から食事も水も一切とろうとしなかった。
29日と同様、夕方になりやっと食事をとった。
だが、30日にかけての深夜、二度にわたり大量に吐き戻した。
さらに夜が明けてからも、もう一度吐き戻した。
この日はどうしてもはずせない所用があり、いつもは連れて行くルナを一人で留守番させた。
5時間ほどで帰宅すると、玄関先で待っていたルナが休んでいた鼻先の床には、血が滲んだ浸出液がたまっていた。
結局その日は、食事も水も全く受け付けなかった。
それだけではなく、まともに起き上がれなくなっていた。
立上ろうとしても、腰が砕けた。
ようやくなんとか起き上がっても、大きくふらつき、今にも崩れ落ちそうな様子だった。すべて初めての症状だった。
一夜明け翌3日、イチゴジャムを塗ったライ麦パンをひとかけらだけ口にした以外は、何も飲み食いせず、外にも出たがらず、ひたすら寝ていた。
とてもまずい状況だった、もうこのままダメかもしれないと思った。
ところが、午後1時半ごろになると、ルナはおもむろに起き上がり、外に出たいと催促した。
前日とは違い、自力で立ち上がり、足取りもしっかりしていたため、そのまま外に連れ出した。
自分から起き上がれたことに、感謝した。
この日は今年一番の夏日で27℃もあった。
ルナはそのまま散歩に出たがったが、気温がかなりの高く、いったん家に引き返して車にのせてルナの好きな公園に連れて行き、そこでゆっくり少しだけ散歩した。
喉の渇きを訴えたため、持っていた飲み物の氷のかけらを少し口に含ませたが、たちどころに下痢をした。
その後家に戻りまたしばらくおとなしくしていたが、夕方になると再び外に出たがり、連れ出した。またまた、ひどい下痢だった。

それでも家の中には戻りたがらず、結局、ルナの意志にまかせ、いつも行く大好きな川辺まで私がルナについていった。
川辺につくと、ルナはいつものように川に入りたがった。本人の好きなようにさせてやったら、水につかったまま、いつまでもアメンボウをゆっくり追い掛け回していた。
いっこうに水からあがる気配もなく、結局、強制的に水から出して帰宅、軽くシャンプーした後、またゆっくり休ませた。
ひと眠りしたルナは起き上がると自分からエサを欲しがる素振りをみせたが、与えたドライフードには見向きもしなかった。
そこで、おやつのソフトジャーキーを与えたところ、喜んで食べたが、すぐさま便意をもよおしまた外に。相変わらずのひどい下痢だった。
部屋にもどってから、自分で水を飲み、再び眠りについた。
この日は、昨日までとは違い下痢がメインの症状。
階段ののぼりおりも、一人でできた。
4日の朝、前日までと比べると幾らかは元気そうだったが、相変わらず食欲なし。
パンをすこし口にしただけだった。
この日は泊まりの来客があり、お客様大好きのルナ、愛嬌をふりまき、元気な素振りを見せていた。
だが5日未明....
リビングのじゅうたんの上で、大量の下痢をした。いつもなら私を起こしてくれるのだが、まったく間に合わなかった。
前日の様子とはうって違い、かなり消耗した様子、一切飲み食いせずに過ごす。
この日から、万一に備え、ルナのケージの隣りに布団を敷いて、ルナの横で寝ることにした。
連休明けに、初孫に会いに行く予定にしていたが、それどころの話ではなくなってしまった。
翌6日、前日よりはかなり回復した様子だったが、まだ下痢は続いていた。
朝食は、ほんの少し口にしたきりで、その後は一切飲まず食わず。
午後になると散歩に出たがったため、久々にルナのペースで少し長めに出かけたが、帰宅後はひたすら眠っていた。

連休明けで大学病院の動物医療センターの医師に連絡をとり、症状を報告。
吐き戻しと下痢の原因として(すでに飲み慣れていると思っていた)抗癌剤の影響も充分に考えられるとのことで、抗癌剤の投与を中止した。
同時に、人間用の下痢止めの薬を投与した。

その後も、10日夜遅くまで、下痢は続いた。
それでも、元気があるときには散歩にでたがった。いつもルナが行きたいところに私がついていった。
11日になると、薬の効果がやっと現れたのか、一週間も続いた下痢がようやくおさまった。
10日ぶりに、食欲も回復の兆しを見せ、笑顔ももどってきた。
今回の危機は、とりあえずは脱したと、心から安堵した。