2013.1.27 東京・後楽園ホール 観衆1542人(超満員)
7.KO-D無差別級&DDT EXTREME級両選手権試合(60分1本勝負)
<KO-D王者>○ケニーオメガvs木高イサミ×<EXTREME級王者>
[23分14秒 片翼の天使→エビ固め]
※イサミが初防衛に失敗、ケニーが第44代KO-D無差別級王座初防衛に成功すると同時に第22代EXTREME級王者となる。
評価:★★★★★★★☆☆☆
フォト:32枚
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寸表:イサミ選手には申し訳ないけど、この試合内容はケニーの防戦一方だった。こういったプロレスも珍しいかな、イサミ選手が勝てるって場面がどこもなかった。見所は波動拳を弱昇竜拳で切り替えしたってところ。あそこはこうゲーム好きには面白く見えたんじゃないか?
イサミ選手は決して弱い選手じゃないし蹴りなんか見てても安定した力はあると思う、まあそんなに見た事ある選手じゃないんだけどケニーがあまりにも強すぎた。
やっぱ全日本の世界ジュニアを何度も防衛したり武道館で飯伏と互角以上+ベストバウト候補に選ばれるだけの選手ってことだろうね。次はHARASHIMA選手か・・・
この試合を見てしまうとケニーを倒せる王者ってのは年内に現れるかどうかさえ思えてきた。DDTの王者も他団体に恥じないレベルを持った選手じゃないと慣れないのかもしれないですね。
第44代KO-D王者のケニー・オメガと第21代EXTREME級王者の木高イサミが激突。ケニーの入場ではカプコンサウンドチームに所属する現役コンポーザーユニット「ROCK-MEN」が生演奏した。
試合がスタートすると、グラウンドの攻防。すばやい攻防から互いにアームホイップ。ケニーがイサミをリング下に落とすとプランチャを投下する。ケニーはイサミを客席に振ろうとするもイサミが抵抗。ケニーはイサミをエプロンへのボディースラムで叩きつけ、リングに戻る。
リング内に戻ったイサミをケニーがカバーするもカウント2。ケニーは逆水平、串刺しエルボーで追い詰める。ケニーがニードロップからボディースラムでカバーするが、カウント2。ケニーがソバットからイサミをブレーンバスターで持ち上げようとするも、イサミが抵抗してブレーンバスターに切り返す。
イサミのダイビング・ボディーアタックは、ケニーがドロップキックで撃墜。ケニーはリバース・ブレーンバスターの要領でイサミをトップロープに打ちつけると、エプロンに出たイサミにハーフネルソン・スープレックス狙い。こらえるイサミにケニーは奈落式コタロークラッシャーを決める。
ケニーはイサミを南側客席に投げ込むと、続いて西側客席に投げ込もうとするが、これはイサミが切り替えてケニーを客席に叩きつける。さらに東側客席に叩きつけ、入場ゲート付近にケニーを寝かせると、イサミは入場ゲートてっぺんからダイビング・フットスタンプを投下。
場外カウントが進む中、先にエプロンで待ち伏せするイサミはリングインせんとするケニーにソバット。それでもケニーはカウント19でなんとか生還。怒りのケニーはイスを持ち出すと場外でイス攻撃。これを鉄柱を背にしたイサミがかわし、イスを取り上げようとする松井レフェリーと揉めるケニーに、鉄柱をすり抜けのトペ・スイシーダを敢行。これに松井レフェリーも巻き込まれてダウン。
両者がリング戻ると、ケニーがSTOP!延髄蹴りからイスを手にして向かってくるイサミに投げつける。さらにイスを手にしたケニーはイサミの背中を一撃。イスの底が抜けるほどの威力だったが、イサミは「来いよ!」と挑発。ケニーが再びイサミの背中にイスを見舞うも、イサミは「来いよ!」と強気に出る。ケニーが背の部分で叩きつけ、松井レフェリーをリングに戻すと、旋回式ライガーボム。これはカウント2。
ケニーが波動拳を出そうとすると、イサミが昇龍拳で撃墜し、ダイビング・ニードロップを投下したがカウント2。エルボーの打ち合いから、イサミがグーパンチ。
ケニーがイサミのキックをブロックしてドラゴンSH、イサミがすぐさまトラースキックを放ってダブルダウン。20分経過、イサミが串刺し式フロント・ハイキックから雪崩式を狙うが、ケニーが阻止して肩車。イサミが抵抗して丸め込むもカウント2止まり。ケニーがジャンピング・ニーアタックからコーナーにイサミを乗せて雪崩式クロイツ・ラスの体勢。
こらえるイサミに、ケニーが無理やり雪崩式クロイツ・ラスに持ち込んだが、形が崩れてしまった。カウント2で返されるとケニーはクロイツ・ラスの体勢。これをイサミがかわして後頭部への勇脚へ。
一気に勇脚・斬につなごうとしたが、ケニーは捕獲するや片翼の天使で叩きつけて3カウント。これでケニーが2冠王となった。
ケニー「イサミさん、DDTに来て、試合をしてくれてありがとうございます。記者会見でイサミさんは弱そうと言ったけど、弱くないですね。誰が相手でもいい試合ができて、ユニオンの選手、ユニオンのエースだと思います」
イサミが引き揚げると、亜門GMがマイクを持つ
亜門「次の防衛戦は2月17日、後楽園です。こちらはKO-Dの防衛戦になります。対戦したい選手はいますか?」
呼び込まれたHARASHIMAはリングイン
HARASHIMA「ケニーに指名されなくても、名乗り出ようと思っていました」
ケニー「この間、(1・20名古屋で)HARASHIMAさんに負けました。でもそれだけが理由ではなく、一番強い選手だから試合したいんですよ。そして、まだシングルで私に勝ったことがないでしょ? それはKO-Dの勝負だけでなく、自分の勝負になると思う」
HARASHIMA「僕はケニーに3回ぐらいシングルで負けている」
ケニー「たぶんもっとだと思う」
HARASHIMA「3回ぐらいだよ(苦笑)でもね、2月のタイトルマッチで勝つからいいんだよ」
ケニー「私はDDTのビッグマッチでメインイベントでオマエに勝ちたい。よろしくお願いします!」
HARASHIMA「こちらこそよろしくお願いします!」
HARASHIMAが退場する。
ケニー「今日は特別な日だった。私はすごいゲーマーです。カプコンさんが、ROCK-MENさんが入場曲をやってくれてうれしかった。ありがとうございます。誰でも一回はリングに上がりたいものですよね。一緒に上がってください!」
と言うと、リングに上がったROCK-MENの2人と『ロックマンユニティ』管理人のウッチーさんがケニーを祝福。4人で記念写真に収まった。
「う~ん、強かったですけどね。楽しかったですね。こういうのがダメなところだと思うんですけど、どうなんですかね? ボクほど勝負に徹している人間はいないと言いながら、ボクほど楽しんでいる人間はいないと言える、その自信になるような試合でした。」
---戦前はケニー選手とすごい試合をやると言っていましたが?
「今日の試合を客観的に見ていないんで、何とも言えないんですけど、試合の中で『コイツ何してくれるんだよ』みたいな。始めから終わりまで、ずっと考えましたね。どうしてもボクと比べると力の差があるじゃないですか。ケニーのパワーをどう対処すればいいか、ずっと考えていたんですけど、結果として頭脳戦みたいになりましたね。僕が感じている中では上に行かれたと思いました。詰将棋みたいな試合でした。
「そうなんですよね・・・。それがネック。どうしましょうか。でも、この試合でケニー・オメガという選手を知ることができたのが、最高にプラスですね。本当によかったと思います。
サイコロジーファイターだし、北米の路上王だし。でも一番はストリートファイターでしたね。目がチカチカしますよ。なんか悔しいですね。負けて清々しいというのが、言いたくないけどそれが悔しい。
でも今日にかんしてはそうなんだよなあ。これで僕は僕なりに進めていきますよ。詰将棋と言ったけど、僕は桂馬みたいな、ナナメに飛んでみたいな生き方だと思うんで。」
――試合が終わっての感想は?
「最近ではイサミくらい小さい相手とはやっていなかった。すべてを通じて異質な経験だった。ダブルタイトルマッチだったし、イサミが相手だったし。これまでハードコアファイターともあまり闘っていなかった。ユニオンの選手ともあまり闘っていなかった。今日、自分がぎこちなかったり、戸惑ったりしたような場面があったかも知れない。それはああいう普通じゃない相手と闘ったから戸惑ってしまったんだ。」
---ケニー選手のほうからラフ攻撃を仕掛けていったが?
「イサミみたいなサイコパスなヤツは痛みを感じないから、回復する時間を与えたくなかった。イサミが昇龍拳を本当に使うとは思っていなくて。カウンターを食らうとは思っていなかったけれど、実際に昇龍拳を食らったしね(苦笑)。」
---イサミ選手は「負けたけど楽しかった」と語っていたが?
「誰もが自分の仕事が好きなわけではないし、自分の生き方が好きではない人だっているかもしれない。でも自分は好きな仕事ができて、それを楽しみながらやれている。だからイサミみたいに、ボクと同じようにプロレスを楽しんでいるヤツとリングに上がれることはすばらしいと思う。でも、この世にはボクの浴びているスポットライトを奪いたい人間が、日本人だけじゃなく、世界中にもいる。難しい部分は、ただ楽しむだけじゃなく、興行を成功させなくてはいけないし、レジェンドとして登っていくために成功しなくてはいけ ないということ。ダブルタイトルマッチだって珍しいことだったから、勝てていいスタートが切れたと思う。」
---EXTREME級王者として、どのようなチャンピオン像を描いていますか?
「EXTREME級王座は自分でルールを決められるんだよね? このベルトは陰と陽みたいなもので、単純に言えばEXTREMEのベルトを使って楽しめそう。これまでもいろいろな自分を見せてきたけれど、自分が万能だということを今まで以上に見せるよ。そして2つのベルトを持っている利点は、誰も疑いなく注目せざるを得ないところ。どんどん自分がやれることを見せるよ。飯伏との試合は自分の人生の中でもベストだったと思うけ れど、飯伏が最後に立っていたことだけをみんな覚えている。見ていた人からすれば飯伏が勝ったということのほうが大きいだろう。だからだからエル・ジェネリコに対して、あれだけ激しく自分を奮い立たせて闘い、イサミに対してもあれだけクレイジーな闘いをした。自分がここに立つ資格があることを見せるよ。」
「いつだってHARASHIMAと対戦した時は100%以上出してきた。そして辛うじて勝ってきた。DDTのコアなファンたちは知っているだろうけれど、オレはHARASHIMAに負けたことがない。
ただ、勝ったというのは正しかったのかどうか。自分のほうがスマートだったとは思うけど、彼よりもタフだったかは自信がない。 だからこそ完全な勝利を見せたい。」
「リング上でも言ったんだけど、ボクを指名してくれたことはうれしいし、ボクも指名されなかったらいこうと思っていたんで、これは本当に願ってもいないチャンス。
ボクはここ2年は(KO-D無差別級の)ベルトを巻いていない。その間、挑戦したことはあったけど、本当に2年は長いですよ。だから次こそは、ここで絶対獲って返り咲きたいですね。つねにチャンピオンでいたいというのは思っているんで。チャンスですよ、これは。
あとケニーとシングルで3連敗。ケニーはもっと勝っていると言っていたけれど、ボクが覚えているのは3連敗してるんで、分が悪いって言えば悪い。でもこの前(1・27名古屋)のタッグではボクが直接勝ったし、昔ハードヒットルールではボクが勝ってるんで。みんなが思ってるほど、すごく苦手ではないし、絶対チャンスはあると思う。早く試合がしたいですね。」
---ベルトを巻きたい気持ちとケニー選手に勝ちたい気持ち、両方あると思いますが。
「両方ですね。強烈に両方あります。」
---プロレスラーとしてのケニー選手の印象は?
「本当にすばらしいプロレスラーですよね。力も強いし、身体能力も高いし、飛べるし、頭もいいし、気が付けば日本語ペラペラで。本当にすごいですよ。でもやっぱり本当に勝ちたいです。」