北朝鮮が核弾頭搭載弾道ミサイルを実用化するため克服しなければならない課題 |  Egi Shun,s BLOG~歴史教科書から探る史実探訪

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山川出版社刊 『詳説 世界史研究』『詳説 日本史研究』 の記述から、気になる史実を探訪しています。右サイドバーの目次からどうぞ


北朝鮮が自前で人工衛星を打ち上げた10番目の国になった。これは間違いありません。では今後どうすれば核兵器を積んだ長距離弾頭ミサイルとして運用できるのでしょうか?
調べてみたいと思います。


課題① 核弾頭ミサイルの開発

先端に搭載する核弾頭ミサイルを開発しなければならない。しきりに北朝鮮が核実験をやっているのはこのためです。他国から払い下げてもらうという手もありますが、さすがに中国やロシアは国際世論を慮って核弾頭そのものを払い下げることは出来ないと思います。

部品なら可なのかな?ロシアやウクライナはやりそう・・・

開発する核爆弾だって信頼性がないといけません。自国で持っている間に暴発してはかないませんし、届けた先ではちゃんと爆発しないといけない。でも不発だろうが核弾頭を天空から届けられた時点で、その国は負けな気もするけど。


課題② 核弾頭ミサイルの小型軽量化

今回のミサイル発射実験の当初目的は充分に達成されています。今後の進め方に大きな希望となったであろうことは確かです。北朝鮮の連中が狂喜乱舞しているのも納得です。

ただし今の技術水準では即、核弾頭搭載弾道ミサイル実用化とはなりません。今回、北朝鮮が宇宙空間へ飛ばすことに成功した何の役にも立たないクルクル回っているだけの北朝鮮製人工衛星の重量は、発表を信じれば100kg程度だそうです。

弾道ミサイルの先端に核弾頭を乗せるためには、開発した核弾頭を小型化する&もっと重量のあるものを宇宙に飛ばせるロケットを造る、の二段構えの研究開発が今後北朝鮮にとって必要となります。


課題③ 攻撃目標地点への誘導技術

長距離弾道ミサイルの照準合わせは発射から大気圏突破までの段階で行われます。落下時は慣性誘導、つまり『飛翔体の自力による』です。敵地に向けての落下時には北朝鮮の軍事本部がGPSなどを使ってミサイルを誘導操作することはできません。

つまり『ミサイル本体が自らの位置や速度を算出しずれを補正し制御して進路を正しく保つ』というものです。北朝鮮がどのくらいこの技術を保有しているかは分かりません。とりあえずアメリカ本土に届きゃいいから、そんな技術を持とうとは考えてないかもしれません。

敵地攻撃目標への照準は、発射時から大気圏突破までのあいだで合わせます。ふたたび大気圏内に戻ってきて攻撃目標に当たるように大気圏を突破させるってことです。これは計算を繰り返して試行錯誤すれば、今の技術水準でおそらく可能でしょう。

ミサイルの弾頭部を有人宇宙船化する?自爆テロだがやりかねんなあ・・・


課題④ 大気圏突入のための技術

宇宙から大気圏に突入すると大抵のモノが摩擦熱で燃え尽きます。突入速度はマッハ25とも。落っこちてる隕石も例外ではなく多くが燃えてなくなってしまいます。先端に積んだ核弾頭を超高熱から防護するためには高度な超耐熱部品の技術が必要です。

ミサイルの先端部分の重量にはこの耐熱部品が含まれるので、弾頭に仕込める爆弾の重量は少なくなります。

耐熱部品もロシアから輸入するんかなあ?なんせ平和利用の宇宙開発だから。



というわけで、北朝鮮が実用的な核兵器を保有するまでにはまだ時間がかかります。今回のミサイル実験の成功を受けて、アメリカさんも本気度が増すことでしょう。

日本も本気出していかないと!!



参考にしたウイキペディアの記事 ↓

wikipedia.org/wiki/大陸間弾道ミサイル

wikipedia.org/wiki/核弾頭

wikipedia.org/wiki/ミサイルの誘導方式

wikipedia.org/wiki/慣性航法装置




日本の宇宙ロケット技術についても調べてみました

HⅡAロケット


$Egihson,s BLOG

     画像はJAXAのウェブサイトより http://www.jaxa.jp/

21回中20回の打ち上げに成功!!
地球重力脱出打ち上げ能力 2,500 kg!!

打ち上げた人工衛星、ひまわり・かぐや・まいど1号・など多数!!
はやぶさ2号も、これで打ち上げる予定なんだよ!!

すげえな! くわしくは ↓
wikipedia.org/wiki/H-IIAロケット



HⅡBロケット


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      画像は三菱重工のウェブサイトより http://www.mhi.co.jp/index.html

3回中3回の打ち上げに成功!
国際宇宙ステーション(ISS)への補給機【こうのとり】はこれで打ち上げてる!!
【こうのとり】って重量が、16,500kg(16.5㌧)もあるんだよ!!!!

すげえな! くわしくは ↓
wikipedia.org/wiki/H-IIBロケット
wikipedia.org/wiki/宇宙ステーション補給機こうのとり


自分の若い頃、日本製の宇宙ロケットは失敗ばかりしてました。現在のような高い技術水準に達することができたことには感動です。タネを明かすとアメリカの援助を受けたんですけどね。


小惑星探査機 はやぶさの大気圏再突入
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         画像はウイキペデイアより

地球帰還時には最大、約43,000km/時(約12km/秒)の速度で大気に進入するため、主に断熱圧縮による空力加熱を受けて前面の空気の温度は最大では2万℃ほどになる。燃え尽きていくはやぶさ本体と、一筋の光の尾を曳いて飛び続ける再突入カプセル (後略)

耐熱技術は問題なし!! くわしくは ↓
wikipedia.org/wiki/はやぶさ_(探査機)


SM-3(スタンダードミサイル)の誘導技術は自衛隊にノウハウと実績が蓄積されています。SM-3を含むミサイル防衛(MD)に関する米国との共同開発・生産は武器輸出三原則の例外とされています。ミサイル防衛(MD)システムには逆輸入な部分かあります。

核弾頭を搭載しない大陸間弾道弾ならすぐにでも日本はつくることができそうです。
そんなものをつくっても意味がないしムダなので造らないと思いますけど。

非核三原則に抵触せずに周辺国の核に対する抑止力を保持できないものか??
さすがに非核三原則を廃棄するのは世論の激しい抵抗がありそうです。