最高裁令和5年10月16日決定(判例タイムズ1538号など)

 

 

【争点】

当初の起訴に係る訴因が「被告人は、免許を受けないで、業として、建物賃貸借契約の媒介をし、もって免許を受けないで宅地建物取引業を営んだ」として個人として無免許により宅建業を営んだとされていたものを、検察官が第1審において、「被告人は、免許を受けないで、」とあるのを、「被告人は、株式会社Aの代表取締役であるが、同会社の業務に関し、免許を受けないで、」として法人としての無免許営業に改める旨の訴因変更を請求したことが、刑訴法312条「公訴事実の同一性」を害しないものいえるか。

 

 

刑事訴訟法
第312条1項 
裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。

 

 

【判旨】

 両訴因は、被告人が、個人として宅地建物取引業を営んだのか、法人の業務に関し法人の代表者としてこれを営んだのかに違いはあるが、被告人を行為者とした同一の建物賃貸借契約を媒介する行為を内容とするものである点で事実が共通しており、両立しない関係にあるものであって、基本的事実関係において同一であるということができる。

 したがって、以上の両訴因の間に公訴事実の同一性を認めて訴因変更を許可した第1審の訴訟手続に法令違反はなく、第1審判決を維持した原判決は正当である。

 

 

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