裁判所執行官ら2人刺傷事件、保証会社の男性が死亡 東京・杉並 | 毎日新聞

 

15日午前10時15分ごろ、東京都杉並区和泉2で、「人が刺された」と110番があった。警視庁高井戸署によると、アパートからの立ち退きの強制執行に訪れた裁判所の男性執行官と保証会社の男性が、近くの路上で住人の40代男性に刺されたといい、病院に搬送された。

(1月15日毎日新聞公開記事から一部引用)

 

賃料滞納を原因とする建物の明渡し事案自体はありふれたよくある類型の事案です。

 

 

建物明渡の強制執行では、まず、執行官が任意に明け渡すように催告します。この際に、業者も同行して室内を確認してどの程度の費用がかかるのかを見積もります。

催告から約1か月程度後の期日を本執行と決めて、任意に明渡がされなかった場合には執行官が業者を補助者として実際に荷物を運び出すことになります。

 

 

明渡執行においては、債権者かその代理人の出頭が必要とされています(民事執行法168条3項)。明渡した建物を債権者に引き渡して初めて明渡が完了するためです。債権者に建物などの説明をしてもらうという実務的な理由もあります。

 

民事執行法

(不動産の引渡し等の強制執行)
第168条3項 
第一項の強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。

 

今回亡くなられた方は保証会社の社員とのことですので、建物明渡を求める債権者側の担当者として立ち会っていたものと思われます。

司法手続を進める中で一般の方が巻き込まれて無くなってしまったともいえるわけで、法律上立ち合いを求められている一般人の安全を守ることができなかったという評価もできることになります。

 

 

一般的に、建物明渡の強制執行の際の身の安全には注意しなければならないということは言われているものの、法律上は警察官の援助を求めることができるという建付けにはなっていますが、実際には稀であり、今後、執行官や業者を含めて執行の現場に関わる関係者の安全をどのように保護していくかということについて検討が必要であるものといえましょう。

 

 

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