売春防止法見直し、法務省検討会が初会合 「買う側」罰則創設を議論 - 日本経済新聞
法務省は24日、売買春への法規制に関する検討会の初会合を開いた。現行の売春防止法では「売る側」の勧誘行為などが処罰対象となるが「買う側」には罰則がないことが問題視されていた。検討会では買う側への罰則創設を中心に議論する。
(3月24日日経新聞から)
売春防止法をみると、「売春」は、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいうと定義されています(法2条)。
売春した者(多くは女性)について、売春したことのみをもって処罰されるというのではなく、公衆の目に触れるような態様で売春を勧誘する(いわゆる「立ちんぼ」)などの、社会風俗を害するような一定の行為態様に絞って処罰している規定となっています。
言い方は悪いですが、「売春してもいいが、人目に付かずにやってくれ。」という内容です。
売春防止法
(勧誘等)
第5条 売春をする目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は二万円以下の罰金に処する。
一 公衆の目に触れるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 公衆の目に触れるような方法で客待ちをし、又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
また、売春防止法は管理売春など、人を売春させることにつながる第三者の行為について禁止しています。
こうした売春防止法の体系においては、売春する人の自発的意思で売春すること自体は禁じないが、社会の目につく場所でそうしたことが行われたり、売春を強制したりすることを禁じていると言えます。
とはいえ、一方で風営法があり、場所や広告宣伝などの規制があるものの、売春防止法の対象外である「性交」に至らない素股、手こきなどの性的行為をサービス内容とする性風俗自体はなかば公認されており、街中、ネット上には事業者による性風俗関連の広告宣伝は溢れかえっていますし、ソープランドで本番行為があるのは隠しようがない周知の事実です。
人の性という制御しれない本能について逡巡する法の世界が垣間見れるということもできます。
女性であれ男性であれ人を金銭で売り買いすることについて嫌悪感を持たない人、問題であると考えない人は多くはないと思われます。
倫理的にはそれが正しいとしても、刑罰をもって行為を強制する法律は多くの人に守られなければ意味がなく、制御しきれない本能に基づく人の性という多分に倫理的要素を含むこの問題について、「人目に触れずにやってくれ」という我が国において現在ですらあまり守られていないハードルをさらに上げるのか、どのように法律に取り込むのかというのは、古今東西、今昔を問わず難しい問題であるということはできるのではないでしょうか。