“裁判員裁判「刺激証拠」をありのままに”都内でシンポジウム | NHKニュース
「刺激証拠」のイラストでの代用は、2013年に福島県で審理された強盗殺人事件の裁判で、裁判員を務めた女性が遺体の写真などを見たことで急性ストレス障害と診断されたのがきっかけで、各地の裁判所で進められています。
(11月16日NHK ONEニュースから一部引用)
記事にある民事裁判において、刺激証拠に接した原告は、真摯に裁判員としての職務を遂行しようとしたが故に本件裁判員裁判の審理・評議・評決に参加したことにより重い精神的負担を強いられ、その結果、不眠等の体調不良が継続し、急性ストレス障害を発症したものと認定されていますが、裁判員制度を実現することによって課される国民の負担が合理的な範囲を超えていることを必ずしも意味しないというべきであるとされました(第一審福島地裁判決)。
私も、検察修習の際に見学した司法解剖でやや気分が悪くなった記憶がありますし、書類送致されてきた自死のご遺体の写真記録を追うにつれてその方の人生や背景などを思うと非常につらくなった思い出がありますので、素人の裁判員の方が負うであろう精神的なショックについてはよく理解できるところです。
しかし、証拠を直接確認するというのは裁判のイロハではないかと思いますし、イラストなどでは間違いも起こりえますし、正しく説明が伝わらないということも危惧されます。
私自身は裁判員裁判の経験はなく造詣が深いわけではありませんが、聞くところによると、遺体写真などの「刺激証拠」についてほとんどの場合必要性なしとして証拠採用されず、イラストなどにより代用されていると聞きます。
必要ない刺激証拠を提出することは裁判員裁判であろうとなかろうと不要であると思いますが(しかし、そもそも必要であるかどうか自体がその刺激証拠を直接見聞きしないと分からないこともあります。公判前整理手続では裁判官でさえその証拠自体を確認できないわけですから、何をもって必要性有り無しを判断しているのかということもいえます)、刺激証拠を直接確認する必要がある場合に、裁判員を慮って他で代用するというのは筋が違うであろうと思います。