長崎市の平和公園にある原爆無縁死没者追悼祈念堂の焼香台で焼き肉をしたとして、長崎県警浦上署は29日、同市浜平1丁目、職業不詳の男(52)を礼拝所不敬容疑で逮捕し、発表した。
浦上署によると、男は27日午前8時ごろから翌28日午前8時ごろまでの間に、祈念堂に設置された焼香台で肉を焼くなどして、礼拝所(祈念堂)に対して公然と不敬な行為をした疑いがある。
(4月29日朝日新聞デジタルから一部引用)
被疑事実が事実であるのかどうか不明ですが、仮に事実であるとすると本当に暗い気持ちになる行為です。
また、逮捕された被疑者が長崎で生まれ育ったのがどうかといったことは不明ですが、長崎で生まれ育ったということなのであれば、その年齢などから考えても、さらに言語道断の行為と言えます。
礼拝所不敬罪は刑法に規定されている犯罪行為です(刑法188条1項)。
刑法
(礼拝所不敬及び説教等妨害)
第188条1項 神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
「礼拝所」とは宗教的な崇敬の対象となっている場所のことをいうとされ、特定の宗教についての崇敬施設ではない原爆無縁死没者追悼祈念堂がこれに当たるのかが問題となりそうです。
本罪は特定の宗教ではなく、あくまでも一般の宗教的な感情を保護するための罪ですので、既存の宗教とは関係のない施設でも本罪の対象となるとされており、原爆慰霊碑やひめゆりの塔のような施設についても「礼拝所」に含まれるものと解されています。
