令和3年4月,相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(相続土地国庫帰属法)が成立しました。

 

この制度の対象となる土地はどのような土地でも幅広く対象とはされておらず,相続等により取得した土地であるということに加えて,制度の対象外となるものについて法2条3項に列挙されています。

 

相続土地国庫帰属法

2条3項 

承認申請は、その土地が次の各号のいずれかに該当するものであるときは、することができない。

一 建物の存する土地

二 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地

三 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地

四 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されている土地

五 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地

 

建物が建っている土地(1号)については,建物ともども手放したいというニーズは高そうではありますが,管理コストなどの問題があり,制度の対象外とされています。

 

 

担保権等が設定されている土地(2号),通路等の他人により使用が予定されている土地(3号)については,そのような権利関係が設定されている以上,国が権利関係の当事者となって対処することについては不適当であるという考えから除かれています。

 

 

土壌汚染対策法に定める汚染がされている土地(4号)について,そのような土地の対処は相続人が責任を持つべきであると考えられたことによります。

 

 

境界不明や所有権に争いがある土地(5号)についても除かれています。

 

 

相続土地国庫帰属制度1 | 弁護士江木大輔のブログ (ameblo.jp)