離婚や相続などの紛争を取り扱う家事調停について、手続きをオンラインで進める「ウェブ会議」の導入を最高裁が検討していることが13日、分かった。東京や大阪など4家裁で2021年度内の試行を目指す。国が進める司法手続きのデジタル化の一環で、身近な法的トラブルを迅速に解決するのが狙いだ。

(5月13日日経新聞から一部引用)

 

 

民事訴訟手続きとの対比でいえば、民事訴訟手続きでよく利用されている電話による弁論準備手続については当事者のいずれか一方が裁判所に出席していなければ利用できないのに対して、家事事件の審判や調停手続きにおいては、近時の家事事件手続法の制定により、当事者双方が裁判所に出席していなくても利用することができることとなっています。ただ、証拠調べや調停を成立させる期日については裁判所への出頭が必要になります。

 

 

民事訴訟と家事事件手続きにおける電話会議システムの利用の相違 | 弁護士江木大輔のブログ (ameblo.jp)

 

 

しかし、もともと改正に向けて準備が進められていた民事訴訟のIT化の追い風を背景にし、さらに新型コロナウィルスを契機として、民事訴訟手続きではこれまでほとんど利用されてこなかった、書面による準備手続きという制度を活用したウェブ会議というものが活用されています。これは、当事者双方が出席せずに、ウェブを利用したテレビ会議(マイクロソフト社のteamsを利用します)を使うというものですが、ここ1年で私のような通常の民事事件の取り扱いが多い弁護士も含めて一気に広まりました。

私も最近初めて利用したのですが(実を言うと、最初に裁判官からウェブ会議の提示があったときには「使ったことがなくて・・」と恥ずかしそうに言って断ってしまったのですが)、利用してみると極めて便利であり、わざわざ裁判所まで出向かなくても良いので

身体にも時間にも優しいなと感じました。

ただ、ウェブ会議が利用されているのは、双方に代理人弁護士がついているときなのではないかと思いますし、本人訴訟のような場合にまでウェブ会議が利用されているのかといえば、あまりないのではないかと思います。

やはり、なりすましであるとか、(テレビ会議なのでなりすましはないとしても)画面に映らないところでの非弁による指示がなされると言った問題があることもあり、手続きの公正の担保という点からはなかなか難しいものと思われます。

 

 

 

家事事件では前記したように双方不出頭でも電話会議ができるという制度がありますが、こちらについてもやはり手続きの公正の面から代理人弁護士がついているようなケースでないとなかなか採られていないような気がします。

 

 

時代の趨勢を考えると、民事事件であれ家事事件であれ、わざわざ裁判所まで出頭せずに済む手続きというのは必須となってくるとは思いますが、どうしても手続きの公正さというものをどう担保するかという問題が最後に残る関門かと思います。