判例時報2443号で紹介された事例です(大阪高裁令和元年8月21日決定)。

 

 

本件は昭和49年12月に婚姻し,平成30年5月に離婚が成立した夫婦(婚姻期間44年間)についての年金分割の按分割合を定める事案ですが,婚姻後2人の子を設けたものの,婚姻から約9年後には別居が開始され,以降離婚に至るまで別居が継続していたということから(相手方は2人の子を実家に預けていたが平成9年ころ,申立人が2人のこと再開し以降申立人が2人のこと生活するようになった),年金分割における按分割合の原則とおり0.5とすべきかどうかが問題となったものです。

 

 

原審家裁は別居期間が長期に及んでいることを重視し,年金保険料の納付に対する夫婦の寄与を同等とみることが著しく不当である例外的な事情があるとして,按分割合を0.35とました。

 

 

しかし,高裁においては,夫婦は互いに扶助義務を負っており(民法752条),夫婦が別居した場合においても基本的に子となることは無く,老後のための所得保障についても夫婦の一方又は双方の収入によって同等に形成されるべきであるとし,按分割合を原則とおり0.5と定め直しました。

 

 

別居期間中の夫婦間の交流状況や婚姻費用の状況,子の監護についての状況が判然としないため評価が難しいところですが,別居の契機なども踏まえると原審家裁の判断もそれなりに理解できるところであり(高裁の判断として別居に至ったことや別居が長期間に及んだことについて申立人に主たる責任があるとまではいえないとしています),判断が分かれてもおかしくない難しい事例ではないかと思いました。

 

 

【元夫から元妻に対して申し立てられた年金分割について按分割合を0.3と定められた事例】

https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11887091061.html