https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53993210Q9A231C1CZ8000/
当時80代の母親を自宅から連れ出した長女と次女が、三女と母が会うことを阻み続けるのは不法行為に当たるとし、東京地裁が長女らに対して110万円を三女に賠償するよう命じる判決を言い渡していたことが30日までにわかった。
松本真裁判官は判決理由で「親と面会交流したいという子の素朴な感情や、面会交流の利益は法的保護に値する」とし、合理的な理由なく拒めないと指摘した。(12月30日日経新聞から一部引用)
高齢親が囲い込まれてしまって会えないという問題は本当に切実であると思います。
【子どもの取り合いならぬ老親(高齢者)の取り合い】
https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-11756720288.html
最近は高齢親との面会妨害禁止に関するいくつの仮処分の実例も出ていますが,未成熟子との面会交流と異なり法律的に整備がされているわけでもなく,担当する裁判官の考え方に左右される面もあるなどはっきりとした処理基準があるわけでもありません。
【高齢親の囲い込みについての面会妨害禁止の仮処分命令について原決定(認容)が維持された事例】
https://search.ameba.jp/search/entry/面会.html?aid=egidaisuke
【高齢親囲い込みに禁止命令、横浜】
https://ameblo.jp/egidaisuke/entry-12408575748.html?frm=theme
今回の件は慰謝料の支払いという形で高齢親との面会をさせないことについての違法性が認められたこ
とになるわけですが,直接の面会が命じられたわけではなく,当事者が本当に望んでいる高齢親との面会が実現されるためにはなおハードルがあるということになります。
未成熟子の場合には子どもがいずれ成長し自分の意思で別居親との面会を希望し実現することも可能であるのに対し,高齢親との面会交流については,高齢親の判断能力や体力が低下し面会の実現がままならないまま永遠に会えなくなってしまうという点で,人道的な点でも大変に問題がありそうです。
高齢化社会を迎え,未成熟子と同様に法律や体制の整備をすべき段階にきているように感じています。