https://www.asahi.com/articles/ASM3L54SDM3LUCLV00X.html

 

 

認知症などで判断能力が十分ではない人の生活を支える成年後見制度をめぐり、最高裁判所は18日、後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示した。後見人になった家族の不正などを背景に弁護士ら専門職の選任が増えていたが、この傾向が大きく変わる可能性がある。

 

最高裁は基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示。また、後見人の交代も、不祥事など極めて限定的な現状を改め、状況の変化に応じて柔軟に交代・追加選任を行うとする。昨年6月~今年1月、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会など専門職団体と議論を重ね、考えを共有したという。

(3月18日朝日新聞デジタルから一部引用)

 

通知そのものを確認していないので何とも言えませんが、後見制度の利用を躊躇する理由の一つとして誰が後見人に選任されるか分からず全くの第三者が選任されてしまう(しかもその可能性がそれなりに高い)ということにあることは間違いないように思うので、そこから逆算して親族後見人を選任していく方向を打ち出したということは考えられそうです。

 

 

もっとも、現在においても、親族が後見人になるということが全く認められていないというわけではなく、親族が後見人に選任されない事案を大きく類型化すれば

・資産が高額または複雑あるいはその両方

・親族内で何らかの紛争がある

といえると思います。

 

 

このうち、後者については、今後も第三者が後見人に選任されることはあまり変わらないのではないかと思います。後見人の立場は中立公平を求められるものなので、紛争の対立当事者が後見人になるということでは紛争の収まりがつかないと考えられるからです。

 

 

今後、親族後見人が増えていくとすれば、これまでは資産高額や複雑といったことで専門職が後見人となっていた事案について、後見支援信託制度を活用したりしながら今以上に親族の後見人を選任していくということだと思います。

また、平成28年には後見制度の利用の促進に関する法律が成立し、その中には、後見制度の申し立てや後見人選任後の支援に応じるための支援の充実が求められており、政府が策定した基本計画においては、支援機関として「中核機関」なる組織の設置が求められているところです(実際には各地域の社会福祉協議会が中核機関としての役割を担うことになるものと思われます)。

この中核機関が地域で生活している親族後見人の支援を行うことでより一層親族後見人を選任する方向で制度が設計できるという目論見ということではないか思いますが、後見人に対して中核機関からの支援を受けることまでいわば義務付けるようなことをするのかどうかといったところも気になる点ではあります。