https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180801/k10011559591000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_061

 

 

 

先月30日、埼玉県川口市にある介護老人福祉施設で86歳の女性の入所者が入浴中に溺れて死亡していたことがわかりました。施設の職員が目を離した際に溺れたとみられるということで、警察は、安全管理に問題がなかったか、当時の状況を調べています。

入浴用の車いすに座って浴槽に入っていましたが、担当の女性職員がほかの入所者の着替えを手伝おうと目を離した際に、溺れたとみられるということです。

(8月1日NHKニュースウェブから一部引用)

 

やや古い資料ですが,厚労省の「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針 ~利用者の笑顔と満足を求めて~」(平成14年)によると,入浴中の事故というのは,食事中の事故と並んで,トップの事故類型である移動中の転倒事故に次いで多い事故類型とされており,このことは現在においてもそれほど変わっていないのではないかと思います。

 

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0422-2.html

 このように、これまでにも転倒や誤嚥事故が最も多いということが指摘されてきていますが、改めて、いずれの施設種別においてもある程度共通した傾向であることが確認できます。また、業務の場面をみると歩行・移動中がもっとも多く、以下、入浴時と食事中に事故が多く発生していることがわかります。

 

また,入浴中の事故は,本件のような命を落とすような重大事故に繋がることが多くリスクが高い業務類型であるということもいえ,これらのことについては介護事業者であれば当然認識していたはずであろうといえます。

 

 

入浴事故に限らず,被援助者から目を離すというのは事故が起こる確率が最も高い場面であるということがいえ,本件でも,記事によると

,介護者が他の利用者の着替えを手伝おうと目を離した際の事故であるとのことであり,このような場面で事故が起こっていることは裁判の事例などでも嫌というほどに多く現れます。
 
 
それでも,介護者が他の利用者の介護のために目を離さなければならなかったという状況(一人で二人以上の被介助者を担当しなければならなかったという状況)であったというのであり,担当していた介護職員個人の責任はもとより,施設としての安全管理体制も問われなければならないということもできるかと思います。