どんな仕事でもそうですが,サービスや物の対価として料金が発生します。
弁護士であれば,相談を受ければ相談料,委任を受けて書類をチェックする,書類を作成する,交渉を引き受ける,訴訟などの手続を代理するといったことに対して対価として報酬が発生し,これを頂くことになるわけです。
ただ,無償のサービスと有料でお金を頂くか判断に迷い境界が曖昧になることもあります。
例えば,交渉や訴訟を代理するという場合には,多寡はともかく,報酬を頂かないということは考えられませんが,ちょっとした相談,ちょっとした書類のチェックをしてほしいという場合にどうするか判断に迷うことがあります。
迷うのは,30分程度で終わるような軽い作業ですが,顧問契約を締結させて頂いている顧問先であれば顧問料という形で報酬を頂いているので,まず頂きません。
紹介や顔見知りでもないような方の面談を伴うような相談であれば頂くことのほうが多いかなと思いますが,自由業である弁護士業の気楽さで,気分次第というところもあります。
興味がある分野で相談者の方の言葉遣いや態度も丁寧でお互いに好感を持てるような第六感が働けば頂かないことも多いですが,そうでないような人に対しては(だいたい電話でわかる),相談料をもらうということを事前に告げると,たいてい相談までは漕ぎつかないことが多いのです。
きちんとしている方というのは,相談が終わった後,場合によっては電話での簡単な相談であっても,「相談させて頂いたので請求してください」と言ってくれる方が多いです。
そうすると,私のほうしても「今回は結構ですので」と引き取ることがほとんどです。
経営ということを考えるときちんと相談料を頂かなくてはいけないのですが,そのあたりはずぼらなようでなかなか困ったものです。