改正民法には,無限定に莫大な債務を個人の保証人が負わされることから保護するため,個人の根保証契約については,書面により極度額を定めなければ効力が生じないこととされています(改正民法465条の2第2項)。

 

改正民法465条の2第2項 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。

 

この点で,雇用契約の際に締結されることが多い身元保証契約が個人の根保証契約に該当するかどうかということですが,身元保証契約には①被用者が使用者に対して負う損害賠償債務を保証する保証契約の性質を有するものと②被用者が使用者に対して損害賠償債務を負うかどうかに拘わらず,被用者が使用者に対して負わせた損害を賠償する損害担保契約の性質を有するものがあると解されています。

 

 

身元保証ニ関スル法律
第1条 引受、保証其ノ他名称ノ如何ヲ問ハズ期間ヲ定メズシテ被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル身元保証契約ハ其ノ成立ノ日ヨリ三年間其ノ効力ヲ有ス但シ商工業見習者ノ身元保証契約ニ付テハ之ヲ五年トス

 

前者の場合には,保証人が個人である場合には個人の根保証契約となり,極度額を定めなければ契約自体が無効となるなどの民法の規定が適用されます。

 

 

使用者にとっては後者の方が有利なので,その趣旨を明らかにしておくため「被用者の帰責事由に拘わらず損害が発生した場合には」といった文言を明記しておくことになるものと考えられます。