http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171123/k10011232871000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_143

 

 

だましとった補助金の総額は1億8000万円余りにのぼるとされ、関係者によりますと、2人は調べに対し黙秘しているということです。

2人は、ことし7月末に大阪地検特捜部に逮捕されて以来、4か月近く大阪拘置所で勾留されていて、弁護士は保釈を申請しましたが、大阪地方裁判所は22日、保釈を認めない決定をしたことが関係者への取材でわかりました。
2人については、裁判の前に争点や証拠を絞り込む「公判前整理手続き」が行われていますが、初公判の日程などはまだ決まっていません。

(11月23日NHKニュースウェブから一部引用)

 

 

巷の一部には,この件で保釈が認められないのは政治的圧力が加えられているからであるといった論調もあるようですが,少なくとも,記事を前提とする限り,今回の事件の経緯や被告人がとった言動,また,被告人が黙秘しており,未だ公判前整理手続き中であるということを前提とすると,保釈は認められないというのが現在の実務の一般的な取り扱いであるように考えられますので(そのような取り扱いが妥当なのかどうかということはおいておくとして),政治的圧力によって本来認められるべき保釈が通らなかったということなのではないと思われます。

 

 

黙秘しており公判整理手手続き中であれば保釈がまず通らないであろうということは弁護人であればよくわかっているところではありますが,それではなぜ保釈の手続きを取ったのかといえば,被告人やその家族から「保釈申請してほしい。」という強い希望があり,弁護人としても拒めなかったということは推測されるところです。

あとは,公判前整理手続中ではあるものの,被告人(弁護人)側の方針が黙秘・否認から自白に転じることとしたので,その点をアピールして保釈申請したということも考えられますが,この点については手続き中であることもあり,本件でどうなのかは全く分からないところです。

 

 

今後の保釈申請のタイミングとしては公判前整理手続きが終了した時点ということが考えられ,否認事件であっても公判前整理手続きが終わった事案では保釈が認められやすいという傾向を踏まえると,今回のケースでもそこが一つのポイントということになるように思われます。

保釈条件として「関係者に接触しないこと」という条件が付くことがほとんどですので,今回のケースの場合,安倍首相夫妻の街頭演説などで以前のようなアピールをすることはしにくくなるのかもしれません。

安倍首相夫妻が「関係者」,あのパフォーマンスが「接触」といえるのかどうかはよく分かりませんが(笑