昨今の後見人による不祥事等を受けて,東京家裁の後見センターでは,専門職が後見人で問題がない案件でも積極的に後見監督人を選任したりしているほか,数年前から,調査人という制度を活用する運用をしています。
調査人というのは,家事事件手続法124条に基づく制度で,調査人というのが正式名称ではありませんが,便宜上,調査人と呼称しています。
調査人が選任されるのは,財産目録の記載上に齟齬があったり,収支に少し不明朗な点があったりする場合に,「とりあえず調査してみましょう」という軽いタッチで付けられることが多いようです。
調査人は基本的には単発,短期間の調査のための制度で,調査期間としては1か月程度が想定されています。
これに対して監督人が選任されるのは,継続して後見事務を監督するというケースになることが多いです。
多くの場合裁判所から調査項目を示唆されて調査することが多いですが,調査の結果,特に問題がないことが判明したり,計算上の過誤を修正させたりして,「是認」(税務調査っぽい感じ)となれば,それで終了です。
ただ,調査の結果,不正行為のようなことが発覚した場合には,後見人の解任や交替,監督人の選任(調査人が横滑りで選任されることもあります)といった事態となることもあります。
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