労働判例1105号で紹介された事案です(東京地裁平成26年7月29日判決)。




有期雇用については期限が来たら原則として契約は終了しますが、更新が繰り返されるなど、労働者に更新に対する合理的期待が認められる場合には期間満了による雇止めは無効とされます。



本件の原告は大学の助教で3年間の期間雇用とされていましたが、過去2回更新されており、また、今回、助教で再任を希望した33人のうち、原告を含む3名が雇止めされたが、33名中原告を含む16名が基準を満たしていなかったことなども考えると、継続的な雇用が前提とされていたとして、更新に対する合理的期待はあったものとされました。



もっもと、本件では単純に期間満了を理由とするものではなく、本件大学では契約更新に際して論文数などの業績審査を行うものとされており、大学の助教であった本件の原告についての能力不足を理由とした雇止めでした。



能力不足を理由とする雇止めについては、「正社員を解雇する通常の解雇のときのような厳格な正当事由までは必要なく、一定の合理的理由がそな材すれば足りる」(大阪地裁平成4年3月31日決定)、「その合理性は緩やかに判断されるべき」(大阪地裁平成14年12月13日決定)と、比較的使用者側に有利に解釈されています。



本件では、原告の上司であった教授は基準を満たすような論文を書くように再三指導してきたが原告が従わなかったと証言しましたが、そのようなことは大学に提出した書面には記載がなかったことなどから証言に信用性がないとされ、また、大学からはいったんは「引き続き活躍を期待する」との評価コメントが伝えられていたのにその後合理的理由もなく原告との契約を更新しないとしたことは判断過程には疑問をさしはさむ余地があるとされました。



結果として原告の地位確認などが認容されています。




本件は控訴されているということです。







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