行政法学の大家である元最高裁判事による回顧録です。




最近は最高裁判事が退官すると,回顧録を書くことが多くなってきているようで,秘密のベールに包まれている最高裁の審理の様子などがすこしであっても窺い知れるようになっています。




深澤武久元最高裁判事の「法廷に臨む」という回顧録も読みましたが,おおよそ共通しているのは,何の前触れもなく就任の打診が来て,逡巡しているうちに,いつ間にか就任していたという流れです。本当になりたくなかったのかどうかというのは話半分だと思うのですが。




関係ないのですが,私も司法試験に合格した後,一人暮らしをしていたアパートに電話があり,出てみると「最高裁判所事務総局人事○△××・・ですが・・」という長い肩書の電話がかかってきたことがあります。提出していた履歴書の確認か何かだったと思うのですが,いきなり,そんな立派なところからかかってくると,今であればオレオレ詐欺と間近えてしまいそうです。






最高裁判事の生活については,大変な激務のようで,それも部屋から一歩も出ることなくひたすら記録を検討するという苦行のような生活だということです。この点についても最高裁判事が書いた回顧録ではどれも似たような感想になっています。





そのほかに,東京三弁護士会の役員などが交代するたびに挨拶に来て名刺交換したり,藤田元判事が地方に出張視察に行った際に,ちょっとした一言の質問をしたところ,わざわざ後日確認して回答がきたエピソードや宮中の儀式のことなど,エピソードもたくさん入っていますので,面白かったです。





■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。