あともう少し残っていますが、だいぶ読み進めました。



 この件の結論がどうあれ、何ともやりきれない気持ちになりました。



 元特捜部長の辛い体験や思いが記されており、身柄を勾留され、自由が奪われることの重大性というものが改めてよくわかります。



 また、話は変わりますが、この本の中で、自白について次のような記述があり、なるほどなと思いました。



 「自白は強い。自白なくして事件の解明はありえない・・・・・・・いかに科学的立証の必要性が説かれようとも、DNAや遺留指紋によって立証しうるのは彼が犯人かどうかだけである。DNAや指紋はそれ以上のことを語らない。彼がどういう動機で、どのような悪意をもって、どのような方法で被害者を殺害したのか・・・・・・自白なくして事案全容解明はありえない。」(著書から引用)




 この件で自ら自白を厳しく迫られる立場に立ちながらも、自白の持つ意義について指摘しておられます。



 昨今、DNAなど科学的な客観的証拠の重要性が説かれることが多くなりましたが、それで証明できることは犯人性やそれにまつわることに限られることが多く、犯人の思いや苦悩というものは犯人の自白によってのみしかしりえないというのは、様々な自白を引き出してきた人だからこそ感じる至言ともいえるでしょう。





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