子ども同士で親の介護方針をめぐって争いになっているとか、「虐待がある!」とお互いに言い合いになってしまっているようなケースがあります。


 このようなケースで、認知症の親が介護施設に入居することになった場合、それぞれの子供が介護施設に「あいつが来たら合わせないようにしてくれ」と要求するなどして介護施設が困ってしまうことがあります。


 その介護施設と契約したのがAという子どもだった場合、介護施設にとってはAさんは、言ってみれば、お客さんなので「Bが来たら絶対に合わせないこと」という求めを断ることはなかなか難しいでしょうが、かといって、実際にBさんが来た場合に受付で「会わせろ」「会わせない」で押し問答になるのも避けたいというところでしょう。


 普通は、契約する前に介護施設で親族関係などを調べて、そのようなリクエストがあった場合の対応についてきちんと協議しておくか、施設側の方針に親族が賛成できないようであれば入居は断るということになるのでしょうから、「会わせろ」「会わせない」で押し問答になるということはそれほどないのかもしれません。


 ただ、親族紛争を施設内に持ち込まれても困るというのは、偽らざる施設側の本音でしょう。


 やはり、こういうケースで、第三者の成年後見人などがついていれば、施設側としても安心だと思います。

 

 成年後見人としては、対立する親族との間で話し合いをもって一定のルールを決めて、それを施設側にも伝えるということになります。

 基本的には親族なのだから、施設に行って会って頂くのは自由だが、連れて行ったりすることはダメということでルール設定する場合が多いと思います。


 もちろん、本当に虐待があったりした事案では別ですが。


 ただ、この季節になると、年末年始を施設ではなくて外で過ごすということになった場合に、どの子供のところに連れて行くかということで揉めたりすることもあります。






■ランキングに参加中です。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村


■弁護士江木大輔の法務ページに移動します。