『反省させると犯罪者になります』 | 自分のままでのびのび楽に 性質を知って自分を知る 相手を知り寄り添う関わりを ケアする人凸凹さんを楽にしたい

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社会福祉士で知的障害者生活支援施設→現在発達凸凹さんゆっくりさんの児童デイ勤務。性質を知って、心に寄り添う関わり方で、セルフケアで。支援する人、子育て・家族のケアをする人が楽に、ゆっくりさん凸凹さんが自分のままでのびのび。





なかなかインパクトのあるタイトルの本ですよねびっくり


直感で気になって読んだ本ですが、読んだ後、私の勘は間違いなかったな〜と思いました。



著者は刑務所で犯罪者に更生支援をしていた方なのですが、犯罪の話ではなく、最終的に感情教育の話でした。


刑務所にしても学校にしても、加害者に被害者の気持ちを考えさせて反省を促すことが一般的です。
しかし、人の気持ちを考えるためには、加害者の気持ちを考えさせることから始めるべきだというのが著者の主張です。

なぜ犯罪を犯したのか、どうしてそんな気持ちになったのか。


犯罪者は、家庭環境が悪かったり、いじめを受けてきたりして、人から大切にされたことのない人が多いそうです。
素直な気持ちを聞いてもらったり、苦しい吐き出せたりする場所がなかったのです。

また、強くなければいけない、とか、大人でなければいけない、我慢をしなければいけないと育てられて、そう思っていると、人に頼ることができず、弱音を押し殺してしまいます。


押し殺していた気持ちは爆発して、犯罪行為と繋がってしまいます(もしくは心の病に繋がることも)。


もちろん、犯罪者を擁護したり、犯罪が悪いと言っているわけではなく、人の気持ちを考えるためには、自分の気持ちを受け止められる経験が必要だということです。



犯罪は極端ですが、社会の中で、家庭でも学校でも職場でも誰にでも起こりうることです。

気持ちをわかってもらうことが少なく、気持ちを言えず、押し込めて我慢をしてしまう。
すると、爆発をしてしまう。


特に大人は子どもに対して、子どもへの愛情や心配からしつけとして行動をコントロールすることで、気持ちに共感することが少なくなりがちです。

「しっかりしなさい」
「勉強をがんばりなさい」
「優しくなりなさい」
「人に迷惑をかけてはいけません」

満たされない思いはいつか爆発をします。



人は人にされたことをする。
その言葉が何度も出てきます。


人に優しくされたら、人に優しくできる。
人に共感してもらえたら、人に共感できる。


自分が傷ついているから、人を傷つける。
自分の痛みに気づいていない人は、人の痛みはわからない。

自分を大切にできるから、人を大切にできる。
人に大切にされるから、自分を大切にできる。



「何かをできるからすごい」を目指すのではなく、「ありのままでいい」と、親や周りの大人から受け入れられ、自分もそう思えていること。

心豊かに生きるためには、それがとても大切なことだなぁと思いました。