アメリカでは今、FIFAワールドカップの話題で持ちきりです。
ほんの数日前までは、NBAで53年ぶりの優勝を果たした New York Knicks の話題一色でした。
ニューヨークでは街中がお祭りムードに包まれ、多くの人々が歓喜に沸いていました。
しかし、その熱気も今ではすっかりサッカーへと移っています。
スーパーで買い物をしていても、カフェでコーヒーを飲んでいても、
「どこの国が優勝すると思う?」
と見知らぬ人から声をかけられたり、
「一緒に試合を観ないか」
と誘われたりすることがあります。
アメリカ中がワールドカップを楽しんでいることを肌で感じます。
現在の世界は、各地で紛争や対立が続き、決して平穏とは言えない状況です。
それでも、ワールドカップという世界共通のイベントを通じて、多くの人々が熱狂し、国境を越えてつながり合う姿を見ると、スポーツの持つ力の大きさを改めて感じます。
そんなサッカーの話題で思い出す患者さまがいます。
数年前、不妊治療で通院されていたご夫婦のご主人は、大のサッカー好きでした。
診察にはいつも奥様と一緒に来られ、とても仲の良いご夫婦でした。
ただ一つだけ、どうしても譲れない予定がありました。
それが週末の草サッカーです。
不妊治療のスケジュールを決める際にも、「この日は試合があるので避けたい」と真剣に相談されるほど、毎週のサッカーを楽しみにされていました。
ところが、ある日のカウンセリングで、そのご主人が珍しく不安そうな表情を見せました。
「実は先生に相談したいことがあるんです……」
話を聞くと、試合中に強烈なシュートを股間に受けてしまったとのことでした。
そして、その衝撃によって精子に悪影響が出たのではないかと心配されていたのです。
奥様にもまだ話していないそうで、とても深刻な様子でした。
実際のところ、サッカーボールが股間に当たったことで男性不妊になるケースは極めて稀です。
ただし、強い外傷によって精巣が損傷したり、炎症が起こったりした場合には、精子を作る機能や精子の通り道に影響を与える可能性もゼロではありません。
ご本人の不安が非常に大きかったため、担当ドクターによる診察を受けていただきました。
検査の結果、特に異常は認められませんでした。
診察後の安心した表情は、今でもよく覚えています。
サッカーは世界中の人々を熱狂させる素晴らしいスポーツですが、時には思わぬケガもあります。
特に男性の場合、強い衝撃を受けた際には無理をせず、必要であれば医師の診察を受けることが大切です。
今回のFIFAワールドカップでは、日本代表もアメリカ代表も好調な戦いを見せており、今後ますます盛り上がりそうです。
先日の日本対オランダ戦では、日本のエース選手が負傷するアクシデントもありました。
大事に至らず、最後まで最高のプレーを見せてくれることを願っています。
世界中の人々が同じ試合に一喜一憂し、同じ感動を共有できる――。
ワールドカップには、そんな特別な魅力があります。
どうか選手たちが大きなケガなく、そして世界中のサポーターが笑顔で大会を楽しめることを願っています。
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