出向者の対応をしているとよく上がるのが、もっと手当を増やして欲しい、他社より給与が低い、他社はこんな福利厚生があるという要望。
人事の視点で言えば給与を含めた処遇は一部だけでなく、給与、手当、福利厚生のトータルで構築しているためポイントだけ取り上げて比較されても、それで他社より劣っているとは言えない部分があると思っている。
一方で出向者からしてみればそのポイントが劣っているのも事実であるので、改善点、検討課題として取り上げて取り組めるものは取り組んでいる。
会社全体のルールや規程で決まっているものもあり、変えられるものとそうでないものがあるため。
仕事的には上記のような考えをしているが、いち出向者の個人としては、今の会社の仕組みには特段不満はない。
上を見上げればきりがないのはもちろんだが、ある程度の手当はつくので給与は日本にいた時よりもあり、貯金も貯まっている。
学校はインターに通わせてもらって子供は貴重な経験を積ませてもらっている。
住居費は払っているが、そこそこの広さの社宅に住まわせてもらっている。
カレンダーは日本より休日が少ないが、もともとマネージャー層であれば残業も休日出勤もあるものなので、国内と比較してそこまで気にはならない。
充分な環境があると思うが、やはり海外で働いていると、自分は大変、不遇な目にあっている、それ相応の特別な扱いをしてもらいたい、といった気持ちが大きくなり、要求もおおきくなるものなのだと思う。
それはそれで本人にとっては事実なので、丁寧に対応していくしかないと思っている。
とはいえ、私からすると海外生活も処遇も全く問題なくて、仕事内容も大変だけどやりがいはあるし正直悪いことは無い。
ただ1点、海外も国内と同じで上司が悪いとうつ病になるくらい追い込まれる。
仕事で働く人との人間関係、これさえ良ければ他の金銭面などの問題はそれなりの処遇であれば最悪死ぬことは無いし、日々の幸せにはそこまで大きな影響はない。
でも、人間関係が悪いとメンタルを崩して人生が台無しになることもある。
色々な要求が出来る人はそういった人間関係などが十分に満たされていて、もっともっとという際限が無い欲望が出てしまっているのではないかと感じる。
足るを知ることが結局精神の安定に繋がるし、自身の心を平穏に保つことにつながる。
人生長い目で見たら一時の損得なんてあってないようなもの、長期的に見て行く必要がある。