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銘木屋のひとりごと

京都の老舗銘木店の経営者という観点から、日々の生活を通じた京都の老舗が守り伝えてきた衣食住にまつわる伝統的な暮らしの文化を少しでも世間にご紹介していきたいという願いで拙いブログをはじめました。

先日の12日~13日にかけて関東地方を襲った台風19号で

被災された方々には心よりお見舞い申しあげます。

 

昨年、弊社も台風12号と21号で倉庫の屋根瓦と庇の波板が飛散し、

大変な目に遭ったばかりなので、決して他人事ではありません。

 

地球温暖化がしきりに叫ばれるなか、

台風の規模も毎年大型化しているように思われます。

たまたま今回関西方面は大きな被害はありませんでしたが、

明日は我が身、対岸の火事ではないのです。

 

ところで、もう3ヶ月ほど前に、

表千家流のお茶を嗜んでおられ、月に1回京都にお茶のお稽古にみえているお施主様が弊社にお越しになりました。

現在ご自宅を新築中で、特にお茶をされる八帖の和室を

表千家家元の稽古場である松風楼とできるだけ同じ意匠にしたいとう

強いご要望で、弊社で松の琵琶床天板や溜漆塗ナグリ床框、桐透し彫り欄間などの注文を頂戴いたしました。

 

松風楼の本歌

 

松風楼の材料で一番苦労するのが、何と言っても松の琵琶床天板で、

奥行きが1Mもある松の無垢板がなかなか採れません。

そこで価格的なこともあって、皆さん、大体は琵琶床天板だけは

松を薄くスライスした単板を集成材に貼って作る練り付け材が大半で、

また無垢に拘られる方は比較的安価な栃の板に拭き漆を塗ったり、

ブビンガなどの外材をお使いになることが多いのです。

 

ところが、この度のお施主様は茶室だけは強い想い入れをお持ちで、

敢えて琵琶床は松の無垢材に拘られて、ご注文を頂いたので、

私も責任重大で、弊社にあった長さ4Mの松板を思い切って1Mに切って何とかご用意させて頂きました。

本日、その松無垢の琵琶床の削り加工が完成し、納品を待っているところです。

 

木口と見付は貝の口に丸めています。

 

裏側に反り防止の為、75×55の蟻桟を2本入れています。

 

過去に何度か松の無垢板で琵琶床天板を作らせて頂きましたが、

その都度、樹齢数百年の松の木の一部が第二の生命を与えられた

瞬間を目の当たりにし、自然の恵みに感動し、実に感慨無量です。

 

 

香港では約3ヶ月前から週末になると学生や若者を中心として

政府の推し進める逃亡犯条例改正案の撤回を求めて

100万人規模の激しいデモや抗議活動が行われてきました。

 

昨日、やっと香港トップの林鄭月娥・行政長官がテレビ演説で、

逃亡犯条例改正案の正式撤回を表明しましたが、

抗議活動団体は5つの要求のうちの一つにしか過ぎないと、

今後の香港の抗議活動が終結する見通しは未だに立っていません。

 

ところで、私事で恐縮ですが、昨年、久々に香港・マカオを訪れ、

香港も20年経つと随分と変わったなぁ~なんて思っておりまして、

また機会があれば是非近々香港に行ってみたいと考えておりました。

 

例年の如く今年のお盆休みは何処へ行っても人は多いし、

交通費もホテル代も高いので、お盆は大人しく家で過ごし、

お盆明けの次の週末にショート旅行に出かけようと考えておりました。

そこで、昨年十分観て回れなかった香港に再び観光に行くべく、

7月末に既にPCで早割航空券を購入しておりました。

 

こんな政情不安定な状況にある香港への外国人旅行者が

激減しているということは予てよりニュースで知っていましたし、

身の安全を考えると中止すべきという選択肢もありましたが、

逆に考えると、今ならホテルや観光施設も空いていて、

むしろ絶好のチャンスでは・・・・という安直な考えが背中を押し、

8月23日~25日まで香港に行ってきました。

 

お陰様で、その間デモ隊などには一度も遭遇することなく、

無事に快適な3日間を過ごしてきました。

 

それでは写真をご覧ください。

 

宿泊したザ・ロイヤルガーデン ホテル

 

普段とかわらない尖沙咀(チムサーチョイ)とネイザン通り

 

夕食  チムサーチョイの小籠包と担々麺の店

 

2日目の朝食はスターバックス

 

靄がかかった対岸の香港島

 

東チムサーチョイの海浜花園

 

ビクトリアピークに登る空いているピークトラム

 

ビクトリアピークより眺める100万ドルの夜景

 

2日目の夕食 香港島にある水上レストラン・JUMBO(ジャンボ)

 

足ツボマッサージ

 

3日目の朝食もスターバックス

 

帰りは空港ターミナルに入る時、パスポートチェックされます

 

無事に帰ってこれたので、空いてて良かったなんて言ってますが、

万が一何かあったら快適な旅行が

一瞬にして修羅場と化してしまいます。

無事是吉祥。 ともあれ、感謝 ! ! 感謝 ! ! です。

 

今年も連日の猛暑で、熱中症で多くの方が亡くなっておられます。

私の住まいする京都市でも日中は37℃~38℃もあり、

まるでサウナに入っているようで仕事になりません。

地球温暖化による環境変化を食い止めることが

いよいよ人類の切実な問題になってきました。

 

ところで、さる6月に大阪府のK様がご自宅を新築をされているということで、弊社で和室の床柱と床框を購入していただき、

私がK様の現場に配達させていただきました。

 

その折に、K様の同じお町内で、

昨年の9月の台風で門の戸板が壊れてしまい、

ベニヤ板を貼って壊れた戸板を応急処置して凌いでおられたH様を

ご紹介していただきました。

 

お父様が建てられたというH様のお宅も大変立派な門構えで、

H様は家の顔である門の板がベニヤで補修されたままでは、

体裁が悪いということで、見積り依頼を頂戴いたしました。

 

H様宅の門材は紅桧(台湾材)という木が使用されていましたが、

現在は紅桧は伐採禁止で入手することが出来ません。

そこで、霧島杉の杢目の戸板に吉野杉の枠材を使用するということで

見積りをさせていただきました。

 

早速お返事をいただき、弊社で製作させていただくことになり、

やっと本日、現場で建具職人さんに取付けてもらい、

無事門扉の改修工事が完了いたしました。

 

H様も綺麗になった赤杉の門扉に大変喜んでいただき、とても有難く、

同時に、H様とご紹介いただいたK様に心より感謝申し上げます。

 

それでは、H様宅の門扉のbefore、afterの全貌をご覧ください。

 

before

 

 

after

 

霧島杉の杢目がとても美しく、瀟洒ななかにも格式のある門で、

木の温もりを改めて感じさせられました。