吉野太夫花供養 | 銘木屋のひとりごと

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京都の老舗銘木店の経営者という観点から、日々の生活を通じた京都の老舗が守り伝えてきた衣食住にまつわる伝統的な暮らしの文化を少しでも世間にご紹介していきたいという願いで拙いブログをはじめました。

京都・洛北鷹峯の常照寺では

毎年4月の第2日曜日に

江戸時代「寛永三名妓」の一人と謳われた

二代目吉野太夫を偲ぶために吉野太夫花供養が催されます。

 

本日がその吉野太夫花供養の日で、

鷹峯交差点から常照寺まで

三人の島原の太夫さんが絢爛豪華な衣装に身を包み、

禿と呼ばれる女の子を先頭に

内八文字を踏んでゆっくりと歩いてゆかれます。

 

 

 

当時の太夫さんというのは遊女のなかでも最も位が高く、

美貌だけではなく、和歌、俳諧、書、茶道、華道、香道、

琴、琵琶、笙など諸芸に秀でていたことから

明(中国)にまでその噂が聞こえていたそうです。

 

私も京都生まれの京都育ちで、灯台もと暗しというか、

とくに鷹峯の光悦寺が菩提寺だというのに

本日、初めて常照寺の境内に入らせてもらい、

吉野太夫花供養を観賞させていただきました。

 

あいにくの薄曇りのなか桜も満開となり、

ゆっくりと優雅な太夫道中を観ていると、

かつての吉野太夫の高貴な姿が目に浮かぶようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

また境内では薄茶や煎茶のお茶席が設けられ、

とくに吉野太夫ゆかりの茶室・貴芳庵では

裏千家淡交会さんが釜を掛けておられ、

久しぶりのお茶会の雰囲気を堪能させていただきました。

 

 

 

 

お茶室の中は写真撮影はNGだそうで、

大変失礼いたしました。

 

いくら京都生まれの京都育ちといえども、

京都は知らない処ばかりで、流石、奥が深いですよね~。