昨年、秋、このブログのなかで、
神戸の竹中大工道具館に展示される
京都・大徳寺・玉林院にある重要文化財・茶室「蓑庵(さあん)」の忠実な
実物大模型が京都工芸繊維大学の中村昌生先生の監修の下、
京都の匠衆によって造られることをご紹介させていただきました。
その模型は、竹中大工道具館にて常設展示されるということで、
使用される材料も実物に極限まで近づけるため、かなりの吟味が必要となります。
その材料選びの様子は弊社において詳細にビデオに収められました。
この度、その茶室「蓑庵(さあん)」の模型の骨組みが完成し、
これまでの経過を含め、竹中大工道具館より広報誌「News Vol.27」を頂戴しました。
そのなかに、壁を塗る前の茶室「蓑庵(さあん)」のスケルトン写真が紹介されています。
選りすぐりの北山丸太や赤松皮付丸太などが
壁下地の竹小舞と美しいコントラストを見せています。
柱や桁の寸法のバランスも実に見事に納められています。
特に、ここで使用されている中柱の赤松皮付中曲りは、曲り具合、皮の色といい、
ここ最近見たこともないような逸品で、
安住の場所を得たかのように悠然と納まっています。
仕事をされた大工棟梁は、
昨年、NHKプロフェッショナル「仕事の流儀」に出られた斎藤光義 棟梁で、
匠の技が見事なまでに光っています。
今後、竹中大工道具館において、この茶室「蓑庵(さあん)」の模型が
多方面の方々の目に留まることによって、
日本の伝統文化である数寄屋建築の普及・啓蒙に繋がることを切に願うのです。