初代・桂春團治 | 銘木屋のひとりごと

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京都の老舗銘木店の経営者という観点から、日々の生活を通じた京都の老舗が守り伝えてきた衣食住にまつわる伝統的な暮らしの文化を少しでも世間にご紹介していきたいという願いで拙いブログをはじめました。

私が高校時代、落語研究会に入っていたことは以前このブログにも書きましたが、

中学生の頃から上方落語のレコードやラジオの落語番組を聴くのが好きで、

なかでも笑福亭仁鶴のレコードは溝がすり切れるほど聴きいていました。


やがて高校生になると上方落語の四天王といわれた笑福亭松鶴、桂米朝、桂春團治、桂小文枝(のちの文枝)

らのライブの寄席や落語会にも友人とよく聴きに行ったものでした。

自分で演じるというよりは、むしろ名人の落語を聴くほうが好きで、

覚えてしまうほど聴いていると、自然と無意識に落語が口から出るようになっていました。


高校の落研では、初心者はピアノのバイエルから始めるように

「東の旅」という伊勢参りの旅ネタから覚えさせられました。

とくに「東の旅」の「発端・野辺」という部分は何度も何度もやらされたので、

全く笑いのない咄ですが、今でもすらすらと口から出てきます。


何よりも、高校の落研には桂米之助という師匠がおられて、発表会の前になると東大阪のお宅に伺い、

いろんな面白いエピソードを交えて落語を教えていただいたことは、今となっては貴重な体験となりました。


高校の落研の発表会は、11月の文化祭と3月の香里寄席の年二回で

高校3年間で六回の発表会を経験しました。


今でも、落語を演じることはしませんが、精神的に疲れたときなど落語を聴いていると、とても癒されます。

そして、毎晩、寝るときには初代・桂春團治のCDは欠かさず聴いています。

何故、初代・春團治なのかというと、上方落語の笑いの原点が春團治の落語の中にあるからです。

今の上方の落語家のなかでも、その影響を受けていない人はいないのではないかと思います。


    銘木屋のひとりごと-春團治


マクラも何もなしで、いきなり落語に入ってくるのですが、

何故か、いきなり引き込まれてしまうのです。

目をつむって聴いていると、

古き良き時代の大阪を舞台にした春團治の世界に迷い込んでしまいます。


「あんた、寝言やったら寝ていいや ! ! 」

「おまはん、いっぺん硫酸で行水したらどうや ! ! 」

「まあ、帰って茶漬け食え ! ! 」

ギャグのような言葉がアドリブでどんどん出てきて、それだけで笑ってしまいます。

そして、初代・春團治は自分自身のハチャメチャな生き様が、そのまま言葉に滲み出ていて、

真似のできない天才的な話術と相まって、話芸の笑いの原点を感じるのです。


今では、初代・桂春團治の落語は私の子守歌になってしまいました。