ピンポーン
遠藤「…はい。」
賀喜「さくごめん。」
ドアを開けると泣きそうな顔をしたかっきーが立っていた。
遠藤「私こそ一方的に怒ってごめん…。とりあえず上がって?」
賀喜「おじゃまします。」
遠藤「あとこれ。かっきーが好きなやつ淹れてみたからどうぞ。」
賀喜「え、いいの?嬉しい、ありがとう。」
2人並んで床にちょこんと座る。
だが、その先に進めない。
呼び出したのは私なのに上手く話出せなくてただ沈黙の時間だけが過ぎていく。
その気まずい沈黙を破ったのはかっきーだった。
賀喜「さくが怒ってる理由、飛鳥さんから少し聞いた。ごめん、勘違いさせるようなことして。」
遠藤「じゃあなんでこの前真佑ちゃんと2人で歩いてたの?私のことは断ったのに…。最近誘っても断られるし、ずっとスマホ見てるし。私以外に好きな人がいるんじゃないの?」
賀喜「それは違う!私が好きなのはさくで、さく以外の子を好きになったりなんかしない!」
遠藤「じゃあなんで?」
賀喜「まず、真佑と歩いてたのは私の家で料理を教えてもらうためだったの。作りたいものがあって、真佑が料理得意だから教わってた。」
遠藤「料理教わるなら私も一緒でもよかったじゃん…。」
賀喜「だって、さくのためだったんだもん。」
遠藤「私…?」
賀喜「そう。さく明日誕生日でしょ?だからさくの好きなもの作りたいと思って…。でも私料理壊滅的だから真佑に助けてもらったの。ここ数日沢山練習しててさ。だからさくとの時間もなかなか取れなくて…。」
私の勘違いだったということか。
私の一方的な勘違いのせいでかっきーのことを傷つけてしまった。
遠藤「ごめんなさい…。ちゃんと話しも聞かずに。」
賀喜「私の方こそごめん。さくを喜ばせたいって気持ちだけで、そのときのさくのことは考えれてなかった。」
遠藤「かっきーは悪くないの。私が…」
賀喜「自分を責めちゃだめ。」
そう言い、そっと私を抱きしめる。
賀喜「私は今もさくのことが大好き。」
遠藤「私もかっきーのこと大好き。」
賀喜「また今まで通り私の彼女でいてくれる?」
遠藤「こんな私でよければ…。」
賀喜「ありがと。」
♪〜
突然かっきーのスマホのアラームが鳴った。
賀喜「もうこんな時間?!」
時刻は0:00。
気がつけば日付が変わっていた。
賀喜「えっと…お誕生日おめでとう。これは私からのプレゼントです。」
かっきーから手渡された細長い箱と小さな四角い箱が2つ。
賀喜「まずはこっちの細長い箱から開けてほしいな。」
遠藤「いいの?ありがとう。」
丁寧に包み紙を剥がし、フタを開ける。
遠藤「綺麗…。」
そこに入っていたのはネックレスだった。
私のサイリウムカラーのピンク色の石がはめ込まれていてすごく可愛い。
賀喜「最近ずっとスマホ見てたって言ってたじゃん?実はそれをさがしてたの。」
私が疑っていたことは全てかっきーが私のためにしてくれたことだったと知り、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
遠藤「本当にごめんね。」
賀喜「いいのよ。ほら、小さい方の箱も開けてみて?あ、向き気をつけてね。」
言われた通り、渡された向きのまま箱を開ける。
そっと開けると中には和菓子が入っていた。
賀喜「さく和菓子好きだったなって。たまたま月1の限定販売が2日でさ、どうしてもさくに食べて欲しいなって思って。あともう一つも開けて見て?」
和菓子が入っていた箱よりも一回り大きい箱を開けると、チーズケーキが入っていた。
賀喜「さく、前にチーズケーキ好きってブログに書いてたから作ってみたの。」
遠藤「これ作ったの?!」
賀喜「うん。色々練習してたら沢山作りすぎちゃってメンバーに食べるの手伝ってもらってたの。でも、こんなに綺麗に出来たの初めてなんだ。」
遠藤「かっきー…本当にありがとう。大好き。」
賀喜「私も大好きだよ。」
かっきーの優しさに包まれ、人生で1番最高な誕生日になった。
賀喜「ねぇ、久しぶりに泊まってもいい?」
遠藤「もちろん。最近話せてなかったから沢山話そ?」
賀喜「やったぁ。明日はそのままお出かけしたいな。さくと行きたいとこあるの。」
遠藤「お出かけ?どこ〜?」
賀喜「それは明日のお楽しみ!」
遠藤「え〜笑。」
数時間前まで最悪だった状況が、気づけば楽しい時間に変わっていた。
飛鳥さんにお礼を言って、真佑ちゃんにも謝らないとな。
かっきー、こんな私だけどこれからもよろしくね?