守屋side

 

 雑誌の撮影を終え、今日も無事に帰宅。

 

 

 

守屋「ただいま〜。」

 

 

 

 靴を脱いでいるといつも嬉しそうに駆け寄ってくるあの子が、なぜか今日は来ない。

 

 

 

守屋「夏鈴ちゃ〜ん。帰ったよ〜?」

 

 

 

 手洗いうがいを済ませてリビングの扉を開けると、部屋の隅で体育座りをしている夏鈴ちゃんを発見した。

 

 

 

守屋「なんだ、いるじゃん。」

 

藤吉「…。」

 

守屋「ん?どした?」

 

 

 

 いつもなら玄関までお迎えに来てくれるのに今日は隅から一歩も動かず、ずっと俯いたままだ。

 

 

 

守屋「どうしたの、おいで?」

 

 

 

 何を言っても根を張ったように動かない夏鈴ちゃん。

 

 

 

守屋「はぁ…そしたらずっとそこでそうしてなさい。」

 

 

 

 理由はわからないが機嫌が悪いのだろう。

 

 こうなった場合は放っておくのが1番。

 

 気がつけばいつものように隣りにちょこんと座っているはずだ。

 

 私は朝に作っておいたおかずを並べ、少し遅めの夜ご飯を食べることにした。

 

 

 

守屋「いただきま〜す。あ、コップ忘れ…ありがとう。」

 

 

 

 お茶を飲もうと思ったがコップを出し忘れたことに気づいて取りに行こうとすると、横からスッと夏鈴ちゃんが渡してくれた。

 

 機嫌が悪いわけじゃないのかな?

 

 なんて思ったが、すぐに部屋の隅に戻ってしまった。

 

 

 

プルルルル

 

 

 

 ご飯を食べようとすると、今度は誰かから電話がかかってきた。

 

 

 

守屋「もぉー、ご飯食べたいのに。」

 

山﨑『もしもーし。』

 

守屋『天ちゃんじゃん。どうしたの?』

 

山﨑『今週のちょこさく見た?』

 

守屋『今週の?まだだわ。な〜に、どうしたの?』

 

 

 

 天ちゃんと話していると、夏鈴ちゃんが背中にコツンとおでこを付けてきた。

 

 

 

山﨑『どうした?』

 

守屋『あ、ごめん。なんでもない。で、なんだっけ?』

 

山﨑『この前ちょこさくの収録でさ、ぞののパワーチャージあったじゃん?』

 

守屋『あー、あったね。もぉ!何!』

 

 

 

 先程のおでこコツンをスルーして話し続けていると、今度は後ろから抱きついてきた。

 

 

 

山﨑『もしかして夏鈴?笑』

 

守屋『そう笑。夏鈴ちゃん、もう少し待ってて。』

 

山﨑『いや、大した事じゃないから夏鈴のこと優先してあげて笑』

 

守屋『そぉ?ごめんね。』

 

山﨑『うん!じゃあね〜。』

 

守屋『は〜い。』

 

 

 

 電話を切ると、腕の力が少し弱くなった。

 

 

 

守屋「どうしたの?今日変だよ?」

 

藤吉「ちょこさく…。」

 

守屋「先週の?麗奈まだ見てないけど。」

 

藤吉「天と抱き合ってた…。」

 

守屋「あー、あれね。流れでそうなっちゃったんだよ。」

 

藤吉「麗奈嬉しそうだった…。私いらない…。」

 

 

 

 え?

 

 まさかの嫉妬?

 

 

 

守屋「それで今日いじけてたの?」

 

藤吉「うん…。」

 

 

 

 うちの子可愛すぎない?

 

 

 

守屋「あれはお仕事だからしょうがないよ。でも麗奈は夏鈴ちゃんじゃないとパワーチャージできないし、嬉しくないよ?」

 

藤吉「ほんと…?」

 

守屋「当たり前じゃん笑。なんでも彼女が一番だよ?」

 

 

 

 そう言った途端、夏鈴ちゃんの目が輝きを取り戻した。

 

 本当わかりやすいんだから笑

 

 

 

守屋「でも、不安にさせちゃってごめんね。」

 

藤吉「ナデナデしてくれたら許す。」

 

守屋「もぉ〜可愛いなぁ!!」

 

 

 

 私は夏鈴ちゃんが納得のいくまでわしゃわしゃと撫で続けた。

 

 その間、ずっと目を細め、気持ちよさそうにしてた夏鈴ちゃんはネコみたいだった。