藤吉「ねー。」

 

守屋「ん〜?」

 

藤吉「ねーってばぁ!!」

 

守屋「聞いてるよ?どうした?」

 

藤吉「聞いてない!さっきからずっとスマホ見てる!」

 

 

 

 他にメンバーがいる楽屋で珍しく私に絡んでくる夏鈴ちゃん。

 

 

 

守屋「今ブログ書いてるからちょっと待ってね。」

 

藤吉「や!夏鈴暇!麗奈構う!」

 

 

 

 あー…なるほど。

 

 これはたまに訪れる夏鈴ちゃんの赤ちゃん返りだ。

 

 理由は、生理が近いか体調が悪いかの2択。

 

 今回は時期的に体調が悪い方だろう。

 

 

 

守屋「ねえ、夏鈴ちゃん。」

 

藤吉「ブログ終わった??」

 

守屋「後ででいいや。そんなことより、今日体調悪い?」

 

藤吉「夏鈴元気!!」

 

 

 

 あぁ、これ確定演出だ。

 

 この感じ多分微熱があるはず。

 

 

 

守屋「保乃ちゃーん。」

 

田村「はいよっ!」

 

 

 

 何度かこの状況を目撃したことがある保乃ちゃんが、流れるように夏鈴ちゃんのおでこを触って熱を確かめる。

 

 

 

田村「うーん、ちょい高いわ。」

 

 

 

 前から触れようとすれば夏鈴ちゃんに妨害されるが、後ろから奇襲をかければ確実におでこを触ることができる。

 

 実際夏鈴ちゃんはおでこを触られたことにすら気づいてなさそうだ。

 

 

 

藤吉「麗奈ー?」

 

守屋「保乃ちゃん、マネージャーさん呼んできてくれる?」

 

田村「ええよ〜。」

 

 

 

 保乃ちゃんがマネージャーさんを呼びに行っているうちに、帰る準備を始める。

 

 

 

藤吉「れなぁぁぁ、構ってぇぇぇぇ!!」

 

守屋「よし、夏鈴ちゃん帰ろ。」

 

藤吉「??」

 

 

 

 今は微熱かもしれないが、この甘えっぷりからみてどんどん熱も上がるだろう。

 

 完全に熱が出て動けなくなる前に連れて帰らないと。

 

 

 

藤吉「お仕事はぁ?」

 

守屋「夏鈴ちゃんは今日はおやすみです。」

 

藤吉「なんでぇぇ!」

 

守屋「今日お熱あるでしょ?」

 

藤吉「ないもん。夏鈴元気!」

 

 

 

 はぁ…。

 

 どうやって連れて帰ろうか。

 

 素直に言うこと聞いてくれるかんじじゃないしな…。

 

 

 

マネ「れなぁ、保乃から聞いた。車出すから元気なうちに帰そう。」

 

守屋「すいません、ありがとうございます。ほら、夏鈴ちゃんお家帰るから準備して?」

 

マネ「やばい、忘れてた。れなぁ今日取材入ってるわ…。30分ぐらいで終わりそうだけどそれまで夏鈴持ちそう?」

 

守屋「まだ微熱なので大丈夫だとは…、」

 

田村「保乃達見てるから行っておいで。」

 

守屋「ありがとう。よろしくね。」

 

増本「じゃあ藤吉さん、私と遊びましょ!!」

 

藤吉「いい。」

 

増本「えぇ…。」

 

 

 

 とりあえずメンバーに夏鈴ちゃんを託し、外部の仕事に影響を出したくない私はマネージャーさんと別室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話が弾んでしまい、気づけば1時間も経っていた。

 

 色々お話しさせていただけてありがたかったが、終わった瞬間夏鈴ちゃんのことがとても心配になった。

 

 

 

マネ「すぐ車回して楽屋迎えに行くね。」

 

守屋「すいません、ありがとうございます。」

 

 

 

 小走りで楽屋へ向かうと、なんだか中が騒がしくなっていた。

 

 

 

田村「あ、麗奈ちゃん帰ってきた!」

 

守屋「え、どうしたの?」

 

 

 

 楽屋の端っこで夏鈴ちゃんがメンバーに囲まれていた。

 

 しかもみんな焦ったような顔をしている。

 

 

 

山下「守屋さんがいないって泣いちゃって…。」

 

田村「夏鈴ちゃん、麗奈ちゃん帰ってきたで。もう大丈夫やからな。」

 

藤吉「麗奈…?」

 

守屋「ごめんね、おいで。」

 

 

 

 両手を広げると素直に駆け寄ってきて抱きついてきた夏鈴ちゃん。

 

 

 

藤吉「麗奈がね…ヒクッ、いなくてね…怒っちゃったかなって思ったヒクッ…。」

 

守屋「怒ってないよ?ちょっとお仕事してたの。」

 

藤吉「夏鈴が帰るのヒクッ…嫌って言ったから…」

 

守屋「そんなことで怒らないから大丈夫だよ?」

 

 

 

 私がいなくて心細かったのか、いつも以上に抱きしめる腕の力が強い。

 

 

 

守屋「大丈夫だからもう泣かないよ?お熱上がっちゃうから。」

 

藤吉「夏鈴いい子だからグヒッ…泣かないもん。」

 

守屋「よしよし。マネージャーさん送ってくれるから今日は帰ろ?」

 

藤吉「帰る…。」

 

 

 

 意外にも素直に帰ると言ってくれた夏鈴ちゃん。

 

 最悪保乃ちゃんとかに担いでもらおうと思っていたくらいだ。

 

 

 

マネ「夏鈴ー、れなぁー、帰るよ。」

 

藤吉「はぁい…グスッ。」

 

守屋「ちゃんとお返事できてえらいね。」

 

藤吉「夏鈴いい子…?」

 

守屋「すっごくいい子!ほら、帰ろ。」

 

田村「あ、夏鈴ちゃんの荷物持つで。」

 

守屋「ありがとう。」

 

 

 

 泣いたことで少し熱が上がったのか少しフラついてはいるが、車までなんとかたどり着けそうだ。

 

 

 

藤吉「帰ったらね、麗奈の作ったご飯ね、沢山食べたい。」

 

守屋「いいよ。でも食べすぎは注意ね。」

 

 

 

 どうやら食欲はあるみたいでよかった。

 

 夏鈴ちゃんの面倒を見ていてくれたメンバーにお礼を言い、マネージャーさんに私の家に送ってもらった。

 

 車に乗り込んだ後、子供がお母さんに一生懸命話しているみたいに、夏鈴ちゃんもずっと麗奈に話しかけてくれていた。

 

 

 

藤吉「さっきね、天がね、突然歌いだしてね、うるさかったの。でね、増本が一人でね、運動会してた。あ、谷口ちゃんがね、肩揉んでくれた。」

 

 

 

 綺良ちゃんはよくわからないが、メンバーが夏鈴ちゃんの相手をしてくれていたことがよくわかった。

 

 

 

守屋「早く元気になってお礼言いに行かなきゃね。」

 

 

 

 そのためにはお薬を飲ませなきゃいけないが…。

 

 薬嫌いな夏鈴ちゃんにどうやって飲ませようか。

 

 いや、今はそんなこと忘れて夏鈴ちゃんの話を沢山聞こう。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、帰ってから薬を飲ませるのにめちゃくちゃ苦労したのは、また別のお話し。