なぁside
銃弾が飛び交う中、私たちは岩陰に身を潜めていた。
私は戦闘中に右肩と右足に被弾してしまい、戦うことも逃げることもできない。
なぁ「撤収命令が出た。ゆうちゃんは先に仲間のとこに行って。」
ゆう「無理だよ!」
止血を試みるゆうちゃんだが、私から流れ出る血は止まらない。
なぁ「いいから!!傷口も深いしこれ以上動けない。だからゆうちゃんは逃げろ!」
ゆう「なぁちゃんを残して行けるわけないでしょ。嫌がったとしても引きずってでも連れて帰るから。」
もしゆうちゃんが連れて帰ってくれたとしても、私は医療機器も充実していないここなら感染症や出血多量で死ぬだろう。
それならベッドの上ではなく戦士らしく戦場で散りたい。
なぁ「ゆうちゃん、サヨナラ。」
ゆう「嫌!!だったら私もここに残ってなぁちゃんと一緒に死ぬ。」
なぁ「馬鹿なこと言うな!このままだと2人とも犬死にになる。ゆうちゃんが死ぬなんて嫌だよ…。お願いだから…。」
そう言っている間にも私の血はどんどん失われていく。
このままじゃゆうちゃんが行くまで持ちそうにもないな…。
残りの弾はたったの1発。
私が死ねばゆうちゃんはこの場から動くことができる。
なぁ「ごめんね…。ゆうちゃん、大好きだったよ…。」
私は拳銃をゆっくりと自分の頭に向け、引き金を引いた。
パァーーン!!
ゆうside
パァーーン!!
乾いた音が私の鼓膜を揺らした。
ゆう「なぁ…ちゃん?ねぇ、なぁちゃん!!しっかりしてよ!」
微笑んだまま一向に目を開けないなぁちゃん。
ゆう「なんでよ…。」
私のせいだ。
私が中々離れないからなぁちゃんは死という選択をしてしまったんだ。
私のせいだ…。
ゆう「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そこで私の記憶は途絶えた。