半年前、私はバイト先のコンビニで強盗に遭遇してしまった。

 

 そのときある人に助けられた。

 

 名前は忘れてしまったが顔ははっきりと覚えている。

 

 見た目はボーイッシュでかっこいいけど笑顔がとても可愛い人。

 

 お礼を言いたかったけどその人はすぐにいなくなってしまい、未だに言えぬまま。

 

 またどこかで会えるかな…。

 

 なんて思いながら今日も満員電車に揺られて登校する。

 

 

 

駅員「お乗りになりましたら車内中程までお進みください。」

 

 

 

 いつもより密度が高い車内。

 

 そしてお尻に感じる違和感。

 

 最初は当たってるだけだと思っていたが、スカートの中に手を入れてきた。

 

 

 

ゆう「んっ……。」

 

 

 

 声が出てしまったが幸い周りには聞こえていない。

 

 あと3駅耐えれば…。

 

 

 

男性「ねえ、学校サボっておじさんと遊ぼうよ。」

 

 

 

 耳元で囁かれるが必死に聞こえないふりをする。

 

 

 

男性「無視しないでよ〜。」

 

 

 

 立っているのも辛くなってくるぐらい触られ、もう駄目だと思ったその時…。

 

 

 

??「おっさん、痴漢は駄目だよ。」

 

 

 

 周りにも聞こえるように大きな声で誰かが止めてくれた。

 

 

 

??「とっとと失せろ!!」

 

 

 

 そして丁度開いたドアに向かって勢いよく蹴り飛ばした。

 

 その勢いで痴漢はホームに投げ出される。

 

 

 

??「よし、これで解決っと。怪我はないですか?」

 

ゆう「はい、ありがとうござい…」

 

 

 

 振り向くとそこにいたのはコンビニで助けてくれたあの人だった。

 

 

 

ゆう「あ、あの!」

 

??「可愛いから気をつけてくださいね笑」

 

 

 

 そう言い、人混みの中に紛れて見えなくなってしまった。

 

 本当はここで追いかけるべきだったのだろう。

 

 でも私は驚きでその場を動けなかった。

 

 

 

 

 今朝のことが気になったまま授業に集中できず放課後になってしまった。

 

 

 

先生「村山、このプリントとノートを職員室まで持ってきてくれ。」

 

ゆう「はい。」

 

 

 

 今日も雑用をやらされるが、慣れたからもう文句は言わない。

 

 いつものようにノートと大量のプリントを抱えて階段を降りる。

 

 あと1階降りれば職員室にたどり着く。

 

 そんなときに私はやらかしてしまった。

 

 

 

ゆう「はぁ、最悪…。」

 

 

 

 幸い誰にも見られず恥をかかなくてすんだが、片付けるのも1人。

 

 ため息をつきながら床にぶちまけたプリントを拾う。

 

 

 

??「あー、派手にやりましたね。大丈夫ですか?」

 

 

 

 顔を上げると今朝の人だった。

 

 

 

ゆう「あ!」

 

??「朝も会いましたね笑」

 

ゆう「あ、あの!」

 

??「はい、なんでしょう。」

 

 

 

 そう言いながら爽やかな微笑みでこちらを見つめる。

 

 

 

ゆう「今朝は助けてくれてありがとうございました。あと、コンビニのときも…。」

 

??「やっぱり笑」

 

ゆう「え?」

 

??「どこかで見たことあると思ったんですよ。コンビニのときの方でしたか。」

 

ゆう「あの、お名前聞いてもいいですか?」

 

??「岡田奈々です。気軽になぁちゃんって呼んでください。あと、私後輩なのでタメ口でいいですよ。あ、もうそろそろ行かないと。」

 

 

 

 なぁちゃんはゆっくり立ち上がると私に手を差し伸べた。

 

 

 

なぁ「立てますか?」

 

ゆう「はい…。」

 

なぁ「よいしょっと。では私はこれで…。」

 

 

 

 そのとき私はなぜそうしたのかわからない。

 

 気づいたときには既になぁちゃんの制服の袖を摘んでいた。 

 

 

 

なぁ「ん?どうしました?」

 

 

 

 引き留めたはいいが、理由がわからないから気まずい沈黙が訪れる。

 

 なんでもいいからなんか言え、私!

 

 

 

ゆう「あの、その…。お礼させてもらえませんか?」

 

 

 

 とりあえず言ったはいいが、お礼と言ってもその内容が全く浮かんでこない。

 

 

 

なぁ「じゃあ、私と付き合ってください。」

 

 

 

 ん?

 

 考えていると、突然そんなことを言われた。

 

 

 

なぁ「だから、私と付き合ってください。コンビニで会った時から一目惚れでした。試しに1週間でもいいのでどうですか?」

 

 

 

 

 

約2ヶ月後。

 

 

 

なぁ「ゆうちゃん!ゆうちゃん!起きないと遅刻ですよ!」

 

ゆう「もうちょっと…。」

 

なぁ「はぁ、起きない悪い子にはチュウしませんよ。」

 

ゆう「起きるもん。」

 

 

 

 あれから私たちは何度かデートをして、付き合うことになった。

 

 今は2人とも実家を出て、小さなアパートで仲良く暮らしている。

 

 勝手にプリンを食べられたレベルの小さな喧嘩はよくするが、大きな喧嘩は一度もなく順調だ。

 

 なんで私が告白をOKしたかって?

 

 それはなぁちゃんも知らない、私だけの秘密。

 

 一つだけ言えるのは、なぁちゃんは私の王子様ってこと。

 

 これから先、何十年も一緒に暮らそうね、なぁちゃん!

 

 

 

 

 

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どうも、ぽんです。

 

初めて坂以外の小説を書いてみました。

 

これをきっかけにAKBファンの方にも私の小説を読んでもらえたらな…。笑

 

これからもよろしくお願いします!

 

 

 

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ちなみに「ぽんるーむ」とは、小説に関しての質問や、アドバイス、リクエスト、坂道関係の雑談などを気軽にできるオープンチャットの部屋のことです。更新情報なども確認できます。

 

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待ってまーす!

 

 

 

では、あじゃじゃした!!