地区大会最終戦を終え、私と理佐さんはオダナナに結果報告に来た。
織田「お疲れゆいぽん!どうだった?」
小林「どうだったと思う?」
織田「逆に聞いてくるスタイル?まあ、ゆいぽんのことだから完勝でしょ?」
小林「さあ、どうでしょう。」
理佐「由依、そろそろかわいそうだから教えてあげな笑」
私はオダナナの目を真っ直ぐ見て言った。
小林「ごめん…、負けちゃった。」
織田「えっ…。」
オダナナの表情が一気に暗くなった。
織田「そう、お疲れ様。」
その場の空気が重くなり、私の背後で理佐さんが吹き出した。
理佐「嘘だよ笑。ちゃんと完勝したから安心して!」
織田「なんだよ。ビックリさせないでくださいよ。」
小林「ごめんって。これ、ちゃんと持って来たから。」
私はオダナナにボールを渡した。
それは今日の試合のウイニングボールだった。
織田「覚えててくれたの?ありがとう。」
私はオダナナに県大会出場が決まったら何があげるという約束をしていた。
織田「次は県大会だね。応援してるから。」
オダナナは本気で優勝を喜んでくれた。
いつだってそう。自分がどんな状況でも相手と一緒に喜びを分かち合う。
だからたまに疲れてしまうこともある。
そんなオダナナが私は結局好き。
でも、その時、数日後に悲しい結末が待ち受けていることを私達は知らなかった。