1本目の収録が終わり、今はお昼休み。

 

 1期生は集まってお昼ご飯を食べている。

 

 私も仲間に混ざりたかったが、動きたくても動けなくなっていた。

 

 原因は背中にくっ付いている可愛いワンコ。

 

 

 

理佐「お弁当取りに行きたいから一旦手離してくれる?」

 

由依「うーん...。」

 

 

 

 由依は楽屋では甘えてこないタイプ。

 

 だから突然後ろから抱きつかれたときは少し驚いた。

 

 

 

理佐「どうした?眠い?」

 

由依「うーん...。ちょっと...。」

 

理佐「ここじゃあれだから隣の部屋行こ?」

 

 

 

 少し強引に立ち上がると眠い目を擦りながら由依も立ち上がった。

 

 フラフラした足取りで楽屋を出る由依を危なっかしく思いながらも、2人分のお弁当を素早く取って後を追いかける。

 

 

 

理佐「由依、おいで。」

 

 

 

 たまたまあったソファーに腰をかけ、隣に由依を座らせた。

 

 

 

理佐「なんか嫌なことでもあった?」

 

由依「夏鈴ちゃん...。」

 

理佐「夏鈴ちゃんになんかされたの?!」

 

由依「違う...。さっきの収録で夏鈴ちゃんのこと好きって言ってた。」

 

 

 

 なるほど。

 

 嫉妬してくれたってわけだ。

 

 いや可愛すぎだろ。

 

 

 

理佐「もちろん夏鈴ちゃんのことは好きだよ?でもそれは推しメンとして。恋人としての好きは由依だけだよ。」

 

由依「ほんとぉ?」

 

理佐「当たり前じゃん。」

 

由依「私嫌われたのかと思って離したくなかったからつい...。」

 

理佐「安心して。由依のことは絶対に離さないから。」

 

由依「うれしぃ。」

 

理佐「そろそろ限界でしょ笑。眠いのに無理やり話しちゃってごめん。」

 

由依「うーん...。」

 

理佐「ほら、おいで。」

 

 

 

 ほぼ寝ている由依を寝かせ、膝枕をする。

 

 近くにあった毛布をかけて頭をそっと撫でると子犬のように手に頭をスリスリしてきた。

 

 

 

由依「んふふ。りさぁ...、すぅきぃ。」

 

理佐「私も好きだよ。」

 

 

 

 おそらく今の言葉は由依に届いていないだろう。

 

 それでもいい。

 

 膝枕をしながら気持ちよさそうなワンコの寝顔を見れるのは私だけの特権だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜おまけ〜〜

 

 

 

 その頃みんながいる楽屋では...。

 

 

 

増本「天さん天さん!はないちもんめしましょ!」

 

山﨑「飽きた。」

 

増本「えっ...。じゃあ幸阪さん、一緒に…」

 

幸阪「しばくぞ。」

 

増本「遠藤さんはど…」

 

遠藤「大丈夫。」

 

 

 

 誰からも相手にしてもらえない増本でした。