遂に迎えた生徒会選挙。

 

 あと30分で私達の最後の戦いが始まる。

 

 舞台袖からアリーナを覗くと半分くらいの席が埋まっていて、最前列には既に黒い羊を中心とした工業科の生徒と土生先輩と葵ちゃんが座っていた。

 

 でも、一番肝心な人がまだ来ていない。

 

 

 

小林「もう、理佐どこに行ったの?」

 

 

 

 集合時間はとっくに過ぎているのに理佐がこないし、電話も繋がらない。

 

 舞台袖にはホワイトウルフが沢山いて、正直怖い。

 

 

 

小林「菅井先輩、理佐見ました?まだ来てなくて電話も繋がらなくて…。」

 

菅井「……。」

 

守屋「あら、応援演説者がいなけりゃ失格じゃないかしら?」

 

 

 

 絶対守屋先輩の仕業だ。

 

 証拠はないが、私の何かが感じ取った。

 

 

 

小林「守屋先輩、理佐をどこにやったんですか?知ってますよね?」

 

 

 

 出来るだけ冷静を装い、守屋先輩に聞く。

 

 

 

守屋「さあ?また捨てられたんじゃないの?あんたも気の毒ね。」

 

小林「ふざけるな!正直に答えろ。理佐をどこにやった!」

 

 

 

 私は遂に抑えられなくなり、守屋先輩の胸ぐらを掴んだ。

 

 それを見たホワイトウルフが止めに入る。

 

 

 

幹部「守屋さんに手を出すとは何事だ。お前を校則第40条違反で拘束する。」

 

小林「菅井先輩!こいつらに言ってやってくださいよ。守屋先輩は間違ってるって!」

 

 

 

 必死に訴えるが、菅井先輩は動かない。

 

 挙げ句の果てにはとんでもないことを言い出した。

 

 

 

菅井「小林由依を校則第40条違反で拘束することを許可します。」

 

小林「菅井先輩!?なんでです?しっかりしてくださいよ!」

 

幹部「うるせぇ。さっさと来い!」

 

 

 

 私は5人がかりで押さえつけられて身動きが取れなくなってしまった。

 

 首に何かが打たれ、段々と意識が遠くなっていく。

 

 

 

小林「り…さ…。」

 

 

 

 身体が持ち上げられたのと同時に私は完璧に意識を失った。