なんで私は気づかなかったのだろう。

 大切な人がこんなにも傷ついていたのに。

 もっと早く気づいていれば…。



理佐「由依、自分を責めないで。私は笑顔で元気な由依が好き。」

小林「理佐…。」

理佐「結果私は無事だったんだからさ。」



 そう言い私の頭を撫でた。

 久しぶりのこの感覚。

 土生先輩には悪いけどやっぱり理佐の手が一番安心する。



小林「理佐、大好きだよ。」

理佐「ふふっ、私も。由依?」

小林「ん?」

理佐「沢山由依を傷つけたし、裏切ったりもした。でも私は由依を愛してる。これからは何があっても由依を離さないし、離れないから。」

小林「わかってる。私には理佐しかいないもん。」



 気がつくと時刻は10時を過ぎていた。



理佐「もうこんな時間だ。」

小林「本当だ。私はお風呂入ってくるけどどうする?」

理佐「まともにお風呂すら入ってなかったから入りたいけど1人じゃ無理かも。」

小林「じゃあ久しぶりに一緒に入る?」

理佐「由依が良ければ。」

小林「いいよ。」



 私は理佐を抱き抱えて脱衣所に連れていった。



小林「軽い。ご飯もそんなに食べてなかったでしょ?」

理佐「まあね。でも明日から由依の愛妻弁当が食べるから平気かな。」

小林「私まだ作るって言ってないけど。」



 面白半分でそう言うと、理佐は見事に拗ねて漫画みたいに頬を膨らませている。



小林「うそだよ。理佐の好きなもの沢山入れてあげるから怒らないで。」

理佐「由依嫌い。」

小林「私は好きだよ?」

理佐「は?私は愛してるけど。」

小林「///」



 やっぱり理佐は一枚上手だった。