トイレに行きたくなって起きたら、外は暗くなっていた。
小林「よく寝た。」
隣に琥珀はいない。
私はゆっくりと立ち上がりドアノブに手をかけようとしたがあと少しのところで倒れてしまった。
目の前がどんどん暗くなり、微かに私を呼ぶ声が聞こえてきた。
呼吸も上手くできない。
ああ、もう私、死ぬんだ。
琥珀side
愛佳が仕事で帰ってこれなくなったからご飯を作った。
俺は適当に野菜をちぎったサラダとちょっとしたおかず。
小林は食欲がないって言ってたけど一応お粥は作った。
テーブルに並べて小林を呼びに行く。
琥珀「お粥作ったから一緒に食べ…、」
部屋のドアを開けると小林が倒れていた。
琥珀「おい!しっかりしろ!小林!」
小林「ハァハァハァ…。」
呼吸も乱れていて、先程よりも熱が少し上がっている。
俺は急いで救急車を呼んだ。
琥珀「もう少しで救急車来るから頑張れ。」
俺はただ小林の手を握ることしか出来なかった。
救急「救急隊です。今から病院に搬送します。君も一緒に来なさい。」
ストレッチャーに乗せられた小林は俺の手を離さない。
酸素マスクをつけたけどまだ苦しそうな顔をしている。
心配になった俺は愛佳にLINEを送る。
琥珀:小林が倒れた。今救急車で病院向かう。
志田:行先は?何病院?
救急隊の人に聞くがまだ受け入れ先が決まらないと言われた。
志田:うちの病院なら受け入れ可能って伝えて
たしか愛佳の職場は欅総合病院。
琥珀「姉が、欅総合病院なら受け入れ可能と言っています。」
救急「わかった、ありがとう。」
ようやく行先が決まり救急車がサイレンを鳴らして走り出す。
琥珀「小林頑張れ。もう少しで病院につくからな。」
俺の言葉が聞こえたのか握っていた手に力が入る。
ピーピーピーピー
突然機械音が鳴り響き、救急救命士が小林の心臓マッサージを開始すると同時に俺の手から小林の手が離れた。
琥珀「おじさん!小林は助かるんですか?」
救急「必ず助けるから安心しろ。」
救急「意識ないぞ!挿管しろ!」
救急「まだ着かないのか?」
慌ただしくなった車内で俺は邪魔にならないように端によける。
それから数分後、救急車は病院に到着し、小林は奥の部屋に連れて行かれた。
そこに俺は入れないから近くの椅子に座って愛佳を待つ。
志田「ごめん遅くなった。由依ちゃんは?」
琥珀「奥に入っていった。行かないの?」
志田「あそこには私よりも優秀な看護師と医師がいるからまかせて大丈夫。」
琥珀「大丈夫かな…。」
志田「大丈夫だって。必ず助かるから。」
そう言い俺のことを抱きしめた。