石森side

 

 今日の天気は快晴。

 

 でも私の心はどんよりとした曇り空だった。

 

 元々友達の少ない私は、クラス替えという意味のわからないイベントのせいでぼっちだ。

 

 自分から話しかけるのが苦手で、どうしたら友達になれるのかもわからない。

 

 

 

??「おはよ〜。あ、石森さんだよね。」

 

石森「え、はい…。」

 

 

 

 私の名前知ってる人なんているんだ。

 

 

 

的野「私的野美青。前の席だからよろしく。」

 

石森「石森璃花です…」

 

的野「友達になろ!」

 

石森「よろしくお願いします。」

 

 

 

 突然できた友達。

 

 今までガツガツくる人は少し鬱陶しくて苦手だったけど的野さんはなぜか嫌な気はしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

的野side

 

 今日から新学期。

 

 自分で言うのもどうかと思うが、この容姿のおかげで友達作りに困ったことはない。

 

 いつも、黙って座っているだけで気づいたら周りに人がいる状態だった。

 

 でもそれが私には少し鬱陶しくて疲れてしまう。

 

 

 

向井「美青〜おはよ!!」

 

的野「おう笑」

 

 

 

 向井純葉は私の幼馴染で、唯一一緒にいて落ち着く子。

 

 

 

女1「的野さーん!おはようございます!」

 

的野「おはよ。笑」

 

女2「キャー!!的野さんがおはようって言ってくれた!」

 

 

 

 はぁ、朝から疲れる。

 

 私の席はどこだろうか。

 

 一番後ろの窓際がいいな。

 

 

 

向井「ねー美青!今年も同じクラスだよ!!」

 

 

 

 とても嬉しそうに飛び跳ねて喜ぶ純葉。

 

 

 

的野「わかったから、静かにして笑」

 

 

 

 喜ぶ純葉を他所に、教室の入口に張り出された座席表で自分の席を探す。

 

 新しい学期が始まるときは出席番号順で座るのが普通だけど、この学校は最初からランダムのぐちゃぐちゃだ。

 

 

 

的野「ま、ま、ま…、あった」

 

 

 

 窓際の後ろから2番目。

 

 希望の席からは少しズレたが教卓の前よりはマシだ。

 

 

 

向井「アハハハハッ!教卓の前なんだけど笑」

 

 

 

 アイツはどの席でも平気だろう。

 

 後ろの子は石森さんか。

 

 この子もファンクラブの人だったりするのかな。

 

 敵になることはないからありがたいが、うるさいのが面倒くさい。

 

 

 

的野「おはよ〜。あ、石森さんだよね?」

 

 

 

 絡まれるのは嫌だけど挨拶ぐらいはしておかないとね。

 

 

 

石森「え、はい…。」

 

 

 

 あれ?

 

 この反応…、私のこと知らない?

 

 

 

的野「私的野美青。前の席だからよろしく。」

 

石森「石森璃花です…」

 

 

 

 可愛い…。

 

 

 

的野「友達になろ!」

 

石森「よろしくお願いします。」

 

 

 

 自分から初めて発した言葉。

 

 自分でもなぜだかわからない。

 

 初めて会ったタイプの人だからだろうか。

 

 私はもっと石森さんのことを知りたくなった。