「買ってよかった」という日が来ないほうがよい商品 | 「独自の世界観に共感するファンが集まる」ブランディングのブログ

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一般社団法人ブランド・バリュー協会理事で、飲食店コンサルティングのイー・フードビジネス・サポート代表の上田が、
ファンに選ばれ続けるためブランディングについてお伝えします。時にはビジネス以外の日常の感じた事、気づいたことも綴ります。

「買ってよかった」という日が来ないほうがよい商品
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■以前、あるサービスの営業をしていた時期があります。

 それは、関西の某、大手電力会社の子会社が提供する
 あるサービスでした。
 
 その商品は、

 「そのサービスを申し込んでおいてよかった」

 という日がこないほうが良いサービスです。

 いったいどんなサービスと思われますか?
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 答えは「ホームセキュリティ」です。

 自宅に、泥棒は入ったら、センサーが反応して、

 警備員がやってきて、被害を未然に防ぐというサービスですね。

 「サービスを利用していてよかった」ということは
 泥棒が入った(入ろうとした)ということなので、
 そんな日が来ないほうが良いということですよね。

 ただ、現実は、泥棒が入らなくても(入ろうとしなくても)
 申し込んでいる方の満足度は高いようです。

 それは、サービスを利用していることによる安心感です。

 ・安心して、家族で海外旅行にいける

 ・旦那さんが出張中でも、奥様が安心して寝れる

 というように。

 この商品の特長は、これまで全く関心の無かった人でも
 いきなり関心が高まる点です。

 近くの家が、泥棒に入られたということで、いきなり突然ニーズが
 発生し、申し込んで来られることがよくあります。

 ところが、その時、利用しようがどうか迷った挙句、
 利用されなかったから、関心は一気にさがります。

 しばらくたって、再度営業フォローをかけても、
 もうその時は、関心が全く冷めているのです。

 「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ということです。

 これは予防商品の特徴らしいですね。

■「サービスを利用していてよかった」という日が
  来ないほうがいいという予防商品も、
 立派な価値を提供している商品です。

 しかし、ぼくは、できることなら「利用して良かったと心の底から
 思ってもらえる」価値を提供していきたいと思います。

 繰り返しますが、予防商品も立派なサービスですが。