人間にとっての「価値観」は実に様々ですが、こと勉強において、「これは非常に大事!」という論点は誰にとっても共通であることは言うまでもないのです。にもかかわらず、大事であることは何となく理解しつつも、生活していく上での諸々の出来事の方に重点を置き過ぎて、学習上の「大事なこと」を、本当の意味での「大事なこと」と捉えられない子が散見されます。
ちょっとわかりにくい表現で恐縮なのですが(笑)、知能的な面で大きな問題は見受けられないものの、なぜか知識が定着しない子が多いのです。指導された「その場」での理解は決して悪くはないのですが、数日後に同じことを問うても「すっかり忘れてしまっている」状態、これを単に「復習不足」だと断ずるのはいささか早計であると、私は考えているのです。
平たく言えば「空気が読めない」というか、「大事な論点」なのだから、「その場で理解する」ことは勿論のこと、「半永久的に記憶しておかなければならない」という意識に乏しいというか、そんな「雰囲気」さえ感じ取れない子が増えているように感じるのです。昨日理解したはずの論点が、今日には奇麗さっぱり記憶の彼方に消し去られているという状況が、文字通り「日常的」なのです。
このような状況は、厳密に言えば「学習障害」のひとつであり、それなりのケアをされている学校もありますが、前述の通り、ほとんどのケースにおいては単なる「勉強不足・復習不足」と判断されてしまう場合が多いのです。当の本人からすれば、
「教えてもらった時は確かに理解できたし、問題も解けた。それでいいじゃん!」
という思考であり、このことに対して指導者から指摘されると大層不機嫌になり(笑)、自身の正当性をしきりに主張したりします。当然のことながら、知識は「習得」するものであり、同時に「定着」させるべきものでもあります。その成否が受験に大きな影響を及ぼすのは当然のことですし、自らの「将来」を左右する重要な論点なのです。たとえ現状において学習面で大いに苦労していたり、素行に大きな問題を抱える子であっても、このような「事実」は認識しているものですが、前述のようなお子さんは物事を整理して考えたり、中長期的な計画を立案・実行するのが極端に苦手であり、これを放置すれば、受験期に「想定外の事態」に陥ってしまうことになるのです。
そうならないために、指導者たる私たちに何ができるのか・・・
これは意外に単純で、
「一度でダメなら二度でも三度でも、どうしてもダメなら100回でもやる!」
という「根気」が求められているのだと、私は考えているのです。当の子供本人よりも先に指導者の方が「折れて」しまったら、「プロ」としては明らかに失格でしょうし、何よりも子供自身が救われないことになるのです。
「ここは絶対に覚える!覚えられなければ何回でもやるぞ!」
実に単純ですが、これこそがマンツーマン指導の「真髄」であると、私は考えているのです。必要最低限の知識は、「何が何でも覚えてもらう!」という気概こそが、講師たる資質であると思うのです。
「何回失敗しようと構わない。成功するまでやればいい。」
決して簡単なことではありませんが、「できるまでやる・やらせる」ことこそが、「唯一の解決策」だと信じて止まない私なのでした。
頑張りましょう!

