ここ数年の傾向なのですが、母国語であるはずの「日本語」が不自由な子が多いような気がしてならないのです。
母国語が不自由な場合、語学の学習に支障が出るのは勿論のこと、理系科目、とりわけ数学の「文章題」の文意が掴めないという、もはや取り返しがつかないような事態に陥っている子があまりにも多いのです。
「意味が分かんな~い!」
きっとこのように「泣き言」を言えば、誰かが助けてくれた「学習もどき」を繰り返してきた結果なのでしょう。ことここに至って状況を好転させていくことは、非常に骨の折れる仕事だということをぜひ理解して頂きたいと思います。
IT化が急速に発展し、我々の生活はより豊かになりました。一方で、実際に文字に触れたり、文章を書くという機会が、特に幼少期において決定的に不足していた影響が色濃く残ってしまっているのかもしれません。昔から「読み・書き・そろばん」などという言葉がありますが、決して「昭和の遺物」などといって簡単に片づけるようなことをせずに、基本的な読解スキルや文章力を幼少期から養っておくことは極めて重要だと強く感じます。
「便利なもの」は我々の負担を劇的に軽減してくれますが、一方で「決して省いてはいけないもの」もあるはずなのです。英語だ数学だと心配する前に、まずはお子様が母国語である「日本語」をきちんと扱えているのか、詳細に検討する必要がありそうです。
「意味が分からない問題文を、わかりやすく説明してもらえれば解ける!」という状況では、真の意味で「解けた!」とは言えないということをしっかりと認識すべきなのです。当然ですが、数学の文章題は「日本語」で書かれているはずです。そもそもその「日本語」を理解できないこと自体に大きな問題があるということに注視すべきなのです。
受験を控える皆さんは、日々勉強に明け暮れる生活を送っていると思いますが、同時に「文章に触れる機会」を意識的に増やして頂きたいと心から願っております。「文意がわからない」「文意を取り違える」などの問題点を解消するためには、問題文をよく読むこと、そして日常において文章に触れる機会を増やして読解力や文章表現力を養成していくしか道はないのです。
特に幼少期のお子様を持つ保護者様は、日本語能力の育成に注目して頂きたいと心から願っております。外国語の学習も大切ですが、どの学問においても、まずは「母国語ありき」だという現実を忘れないで欲しいと強く感じているところです。
頑張りましょう!

