スポーツ推薦の闇 その2。 | エフォートアカデミー塾長日記

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静岡県三島市の学習塾「エフォートアカデミー」のブログです。
塾での出来事やお知らせを、私塾長の鈴木がお知らせいたします。
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です。よろしくお願いいたします!

 

私の拙い記事に対してリブログをして頂きました。ありがとうございます。同じ思いの先生がいらっしゃったことは、何より嬉しく、心強い思いがします。

 

「学習塾の経営者」という立場だから「スポーツ」よりも「学業」を優先させろと主張している訳では決してなく、スポーツ推薦による安易な進路選択は極めてリスキーであり、ギャンブル的であるとさえいえるのではないか、ということを申し上げたいのです。

私は職業柄、様々なケースを見ています。

 

スポーツ推薦で進学校に入学したものの、5月には「スポーツ」ではなく「学業」にまったくついていけず、ゴールデンウィークを待たずに退学した女の子。

 

スポーツの実力を大いに期待されて「特待生」として入学したものの、大怪我を負ってスポーツを断念せざるを得なくなり、ついには学校まで辞めてしまった女の子。

 

高校のみならず、大学にまでスポーツ推薦で進学したものの、大学入学後も「九九」が完璧でなく、「分数の計算」も出来なくて、困った挙句、大学卒業まで当塾に通い続けた男の子。

 

類稀な才能を持ち、意気揚々と高校に入学したものの、スポーツでは満足な出場機会を与えられなかった男の子。心に大きな傷を負いつつもとりあえず3年間高校には通ったものの、私が次に彼と再会したのは、犯罪容疑者として新聞の社会面に載った顔写真でした。

 

「うちの子はJリーガーになる予定だから、勉強はそこそこでいいのよ!」と言い放った母親、あれからもう10年近くになりますが、いまだに彼をJリーグで見かけることはありません。

 

たとえ「古臭い考え方」と言われようとも、何度でも言いたいと思います。

学生の本分はあくまで「学業」なのです。何かに一生懸命になって青春を捧げるのは大変素晴らしいことですが、こと学生スポーツにおいては「プロスポーツの下部組織」に成り下がってはいけないのです。

子供が「夢を見る」のは当たり前のことで、それを諫め、多様な可能性を提示するのが親の役目だと私は考えます。親子ともども「夢」を見るようでは、親子でギャンブルに興じることと何も変わらないと感じてしまうのは私だけでしょうか?

 

実は私の長男も、高校入学時にとある私立高校からスポーツ推薦の誘いを受けたことがあります。この学校の当該スポーツ部の名誉のために断言しておきますが、こちらの学校は「偏差値」的には高くはないものの、競技力の向上のみならず、ボランティア活動や学業にも熱心で、素晴らしい指導者がいらっしゃることを存じております。長男は自らの判断でスポーツ推薦を断り、あえて公立高校に進学したのですが、「高校3年間」のみならず、高校卒業後の人生について思いを馳せることが重要なのではないかと思うのです。

スポーツ推薦を蹴った長男は、現在大学入試に向けて、日々「決して出来の良くない頭」をフル回転しています(笑)。スポーツ推薦の誘いに乗って、花形選手として活躍していれば、大学への推薦の話もあったはずです。こんなに勉強しなくてもよかったかも・・・と心の底では後悔しているかもしれませんが(笑)、長男の「選択」は決して間違っていなかったと私は思います。

 

学生スポーツに価値があるとするならば、それは文武両道を目指し大いに苦労することだと私は信じています。プロスポーツ選手になる、という「夢」を決して否定する訳ではありませんが、スポーツの素養を持つ子ほど、「3年後の自分」について、真剣に向き合っていただきたいと心から願っています。そんな我が子を「冷静な目」で応援することが、親たる役割だと私は信じて疑いません。

頑張りましょう!