全国統一小学生テスト、問題の振り返りはされていますか?
間違えた問題を解き直すということはなさっていると思います。
でも、それで終わりでは、とてももったいないことです。
お子様が懸命に考えて向き合ったテスト問題だからこそ、
そこから知識や思考を広げて深める振り返りができます。
ポイントは正解だった問題の掘り下げです。
例として1年生の国語の問題を見てみましょう。
大問2の意味つなぎ。
それぞれの動詞の意味を理解できているか?を一緒に確認してみます。
例えば、
「耳をすますってどうすることかな?」
「雲がわくってどういうことだろう?」
「小鳥がさえずるってどんな様子かな?」
など、それぞれの動詞の意味を手振りも使って、動作をして考えてみると分かりやすくイメージできますね。
さらに、その動詞を使って他の文を考えてみます。
例えば、
「他に何がふるかな?」
「かけるものって他に何があるかな?」
「他にわくものって何だろう?」
「塩をふる」「数をかける」「お湯がわく」というように、違う意味で捉えた返答もあるかもしれません。
だとしたら、素晴らしい気付きですが、一年生の今の時期でそれはかなり難しいことです。
「違う意味のある言葉があるけど、どれかな?」
というように、同音異義語のある言葉を考える視点を与えてあげて一緒に考えてみましょう。
なかなか思いつかないようなら、
「ふくって他にも違う意味の動作があるよ?」
というように、
窓や床を拭くような手振りも交えてヒントを出してあげると、お子様も楽しく考えつくことができるでしょう。
同じように3番の季節を選ぶ問題も、選択肢の言葉を確認してみましょう。
例えば、
「どうして夏って分かったかな?」
と聴いてみると、どの言葉を理解していたかがわかります。
質問する時に気をつけたいことは、
くれぐれも尋問、詰問にならないように、あくまでお子様に「教えてもらう」スタンスで。
ポイントは、語尾を少し伸ばして柔らかく。
正解だった選択肢の中にも知らない言葉があるかもしれません。
「ふうりん」の風に揺れる涼やかな音色や、夏空の入道雲をお子様は想像できていたでしょうか?
「夏らしいものって他に何があるかな?」
と、それぞれの季節の風物詩を色々と一緒に考えたり想像してみましょう。
なかなか思い付かないようなら具体的に聴いてあげます。
「夏に食べるものは何があるかなあ? 」
見るもの、感じるもの、使うもの、遊ぶもの、というように、具体的に考えるヒントを出してあげると思いつきやすいでしょう。
こんな風にクイズのように言葉の意味を楽しく親子で考えてみると、お子様の語彙を広げることができます。
読解力の土台は語彙力です。
いかに小さなうちから言葉の力を育てていくかが、学力のみならず思考力を育てる上ではとても重要です。
お子様が出会う言葉を丁寧に深めてあげることで、その世界を広げていくことができます。
お教室では1年生になる前のお子様にも辞書引きを習慣にする手ほどきをしていますが、辞書を使えるお子様であれば、一緒に考えてみた上で、大問2に出てきたような言葉は辞書で調べてみるといいですね。
同じ音でも違う意味の言葉がたくさんあることを自分で発見できます。
それが言葉を知る面白さに繋がります。
低学年の時期に大切なことは、正解不正解ではありません。
考える、調べる、知る、気付く、そこに驚きや感動があるという学びの楽しさを体感することです。
その時に大切なのは、温かな対話です。
対話をすることで言葉を広げて、理解を深め、思考を育てていくことができるのです。
お子様の新たな発見に寄り添って、共感してあげることでその楽しさは何倍にも大きく膨らんでいくでしょう。
それが学ぶことへの意欲に繋がるのです。
お子様が懸命に向き合ったテスト、親子の楽しい学びの機会として活かして頂けたらと思います。